日本共産党

2004年12月6日(月)「しんぶん赤旗」

「一部損壊」再調査で「全壊」

家屋再評価の要望相次ぐ

中越大震災


 新潟県中越大震災で自治体から「一部損壊」と判定された家屋の再調査要求が急増し、再調査で「全壊」になった事例が出ています。半壊以上だと災害救助法や生活再建支援法の対象になりますが、外見から一部損壊と判定されると公的支援はありません。日本共産党全国救援センターでは、「納得いく被害認定を」と住民の相談にのっています。

公的支援対象は半壊以上

 長岡市町田町の河内直美さん(41)宅は、一部損壊から全壊と判定が変わりました。住宅は木造二階建て築約二十年。大規模な地盤災害となった高町団地の近くで外見では被害の詳細はわかりません。

 地震直後の応急危険度判定では、「家が傾いている」として「黄紙」(要注意)がはられ、十一月上旬、市の調査で一部損壊とされました。

 河内さん一家は地震直後から避難所にいましたが、十日ほどたって少し傾いた家で暮らしはじめました。

 専門家にみせたら、傾きを直すのに三百万円ぐらいかかるといわれました。一部損壊では公的支援がありません。家のローンも残っています。教育費もかかります。あらたな借金はできません。

 河内さんは「正しい認定をしていただきたい」と市に再調査を求めました。日本共産党全国救援センターにも相談、市の再調査にも立ち会いを依頼しました。

 同センターが河内さんと家を調べると、被害の大きさがわかってきました。家が少し傾いているのは地盤が不同沈下したためでした。基礎部分も大きなダメージを受けていました。基礎の根太のほとんどに数カ所ずつ深い亀裂が入り、束石と束にずれもあります。柱の亀裂は屋根裏まで続いていました。

 市の再調査の日。日本共産党の笠井則雄・長岡市議が立ち会いました。河内さんは前回、市が調べていない損壊個所を見せました。結果は、一部損壊から半壊、大規模半壊を飛び越して全壊に。生活再建支援法や災害救助法の住宅応急修理制度などの活用が可能になりました。

 住居を直すことにした河内さんは「被害の実態を正しく知ってもらいたい。救援センターにもアドバイスをもらい助かりました」。救援センターは「住宅被害認定への不満は多く、あきらめずに再調査を申請するよう励ましていく」と話しています。


一部損壊が86%

 五日現在、新潟県では一部損壊と判定された家屋が七万八千八百三十七棟あります。被災の認定は全壊、大規模半壊、半壊、一部損壊と分類されていて、一部損壊は全体の86・9%にもあたります。しかし、一部損壊と判定された家屋についてその二割近い数の再調査要求が出された地域もあり、再調査の結果、相当数がさらに重い被害認定に変更されています。各自治体は現在、要求を受けて再調査を実施している最中で全体的な数字はまだ判明していません。



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