2004年11月22日(月)「しんぶん赤旗」
日本共産党の井上哲士参院議員が提出していた「ミズナラなどのナラ枯れ被害に関する質問主意書」に対し、政府から十九日付で答弁書が送付されました。
ナラ類の集団枯死被害は日本海側を中心に広がり、資源消失、森林保全や水源かん養機能の低下などを引き起こす恐れがあります。カシノナガキクイムシの運ぶ菌が原因とみられていますが、詳細は分かっていません。質問主意書は緊急課題として実態把握と防除対策、新たな防除法の開発などをただしています。
答弁書では、〇三年度は十二府県で被害が発生し面積は千四十一ヘクタール。〇二年度から被害木への薬剤注入により、カシノナガキクイムシをくん蒸処理する駆除事業を実施。予防的手法として、〇四年度からナラ類の樹幹に薬剤を混ぜた粘着剤を塗布しカシノナガキクイムシを捕殺する手法の実用化に向けた実証事業を実施しています。
新たな防除法として独立行政法人森林総合研究所で、放射線によるカシノナガキクイムシの不妊処置の実用化に必要な雄の飼育技術の研究を行っています。
今回の質問主意書は、十月六日に京都大学フィールド科学教育センターと「北山の自然を守る会」(榊原義道代表)といっしょに京都府美山町の京大芦生研究林を現地調査したさいの要請にこたえたものです。