日本共産党

2004年11月12日(金)「しんぶん赤旗」

パレスチナ自治政府議長

アラファト氏死去


 【カイロ=小泉大介】パレスチナ自治政府のアリカット交渉相は十一日午前、ヨルダン川西岸ラマラで会見し、パリ郊外の病院に入院していた同自治政府のヤセル・アラファト議長(75)が死去したと発表しました。アラファト議長は、パレスチナ独立国家の樹立のために一生をささげてきました。議長の遺体はカイロに運ばれ、十二日アラブをはじめ各国の首脳らの出席のもとで葬儀をおこなった後、ラマラの議長府内に埋葬される予定です。


 アラファト議長は十月上旬に体調を崩し、二十七日に容体が急変したことをうけ二十九日にパリに移り集中治療をうけましたが、今月八日以降、深いこん睡状態に陥ったまま息を引き取りました。

 議長死去により自治政府では今後、クレイ首相、アッバス前首相を中心とした集団指導体制が敷かれる見込みです。暫定議長にファトゥーハ・パレスチナ評議会(国会)議長が指名され、アラファト氏が議長を兼任していたパレスチナ解放機構(PLO)議長の任務はアッバス氏が引き継ぐことが決定しています。

 アラファト議長は一九六九年にPLO議長に選出されて以降、三十五年にわたり、パレスチナ解放と国家独立をめざす運動の先頭に立ってきました。初期のゲリラ闘争とその後のテロ放棄、イスラエルの生存権の承認をへて、九三年にはパレスチナ暫定自治を定めたオスロ合意をイスラエル政府と結び、翌年には故ラビン同政府首相らとともにノーベル平和賞を受賞しました。九六年には選挙により自治政府議長に選出されました。

 二〇〇〇年九月末にぼっ発したイスラエルとパレスチナの衝突後は、パレスチナ弾圧を激化させたイスラエルのシャロン政権により、アラファト議長はラマラの議長府に死の直前までの三年近くにわたり軟禁状態に置かれていました。


不破議長が弔電

 日本共産党の不破哲三議長は十一日、アラファト・パレスチナ自治政府議長の死去に当たり、次の弔電を自治政府あてに送りました。緒方靖夫党国際局長、森原公敏同次長が同日、都内のパレスチナ常駐総代表部を訪問、ワリード・アリ・シアム代表に手渡しました。


 パレスチナ自治政府のヤセル・アラファト議長の死去の報に接し、ご遺族とすべてのパレスチナの人々に、深い悲しみをこめて哀悼のあいさつを送ります。

 アラファト議長の生涯は、パレスチナ解放とパレスチナ国家の樹立にささげられたものでした。私自身、アラファト議長との東京での二度にわたる会談で、パレスチナ解放運動の大義について、またテロリズムなど複雑な問題への対応について率直に話し合い、たがいに合意しあったことは、忘れることのできない思い出となっています。

 たたかいはいま、複雑で重大な情勢のもとにあります。パレスチナのみなさんが、アラファト議長死去の悲しみを乗り越え、パレスチナ解放の大義と道理ある旗を確固としてかかげ、国際的な連帯を拡げつつ、パレスチナ国家の樹立と安定した平和の中東をめざして力強く前進されることを、心から希望するものです。

 日本共産党

 中央委員会議長

  不破哲三



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