日本共産党

2004年10月23日(土)「しんぶん赤旗」

世界自然保護会議

“ジュゴン守れ”採択へ

米基地建設で絶滅の危機


 絶滅の危機に直面する希少動物、ジュゴンの生息地に米軍基地が建設されようとしている問題で、来月バンコクで開かれる第三回世界自然保護会議(主催、国際自然保護連合=IUCN)が、日米両政府に対する「保護勧告」を採択する動きになっていることが二十二日、わかりました。

 「日本のジュゴン、ノグチゲラ、ヤンバルクイナの保全」と題した「保護勧告」案は、世界自然保護基金(WWF)ジャパン、日本自然保護協会、ジュゴン保護キャンペーンセンターなど国内の環境七団体がことし七月にIUCNに提出していたもの。WWFジャパンの花輪伸一・自然保護室主任らが同日、「会議での採択に向け受理された」と記者会見し明らかにしました。

 勧告案は、日本政府にたいして、建設しない場合も含んだ環境影響評価や保護区の設置など三項目と、米政府には環境影響評価への協力や環境保全、野生生物保護の協議をおこなうことを勧告。ジュゴンの生息海域の中心部での米軍の飛行場やノグチゲラ、ヤンバルクイナの生息地での米軍用ヘリ基地などで「絶滅の危機がさらに進んでいる」として、「保護対策をとらなければ、ジュゴンは日本近海で近い将来絶滅するであろう」と警告しています。

 ジュゴンなどを脅かす米軍基地建設をめぐっては、二〇〇二年七月の第二回世界自然保護会議でも勧告が採択されましたが、日本と米政府だけが棄権しました。花輪自然保護室主任は「勧告が二度も会議で提案されるのはほとんどなく、勧告が守られていない場合などで、罰則はないが、政府は順守する義務がある」と強調しました。


カット

 国際自然保護連合(IUCN) 国家、政府機関、非政府機関が同等の立場で自然保護にとりくもうと、一九四八年に設立された国際機関。七十九の国家、百十二の政府機関、八百七の自然保護団体、約一万人の科学者がメンバーの国際組織。絶滅危ぐ種などのレッドリストづくりなどをおこなってきました。第三回世界自然保護会議を十一月十七日から二十五日にタイ・バンコクで開催します。



もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp