日本共産党

2004年10月15日(金)「しんぶん赤旗」

南京大虐殺の漫画に圧力

発行元は一部訂正

自民・民主などの地方議員


 『週刊ヤングジャンプ』(集英社発行)連載中の人気漫画に描かれた南京大虐殺の描写について、「自虐史観」などと攻撃する地方議員のグループが抗議していることがわかりました。

 この漫画は、昭和初期を生きる官僚が主人公の「国が燃える」(本宮ひろ志氏作)。九月十六日発売号と二十二日発売号で、旧日本軍が南京市民を殺害するシーンを描きました。

 抗議したのは、「集英社問題を考える地方議員の会」。航空自衛隊予備自衛官の犬伏秀一・東京都大田区議(区議会会派「民主・自由・未来」)が代表です。都議会で「君が代」強制を推進している民主党の土屋敬之、自民党の古賀俊昭両都議らも参加しています。抗議文には「大東亜戦争従軍の将兵、遺族、日本国、国民の誇りに傷をつけ、辱めた」などの文言もありました。南京大虐殺は、一九三七年十二月に中国の首都南京を攻略した旧日本軍が多数の捕虜や敗残兵、一般市民を殺害し、略奪などの蛮行を行い、国際的非難を浴びた歴史の事実です。

 抗議文は南京大虐殺について、「あるという確証がない」「あたかも戦争の真実として描いている」などとしており、南京大虐殺という歴史を覆い隠す立場からのものです。

 集英社は「南京事件を描いた回を削除するということはない」としながら、「資料選択で反省すべき点があり、その部分については単行本で訂正し、読者への説明記事を掲載する」としています。「国が燃える」は最終章の準備のため、二十八日発売号から休載することも明らかにしました。



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