日本共産党

2004年10月14日(木)「しんぶん赤旗」

大リストラ織り込む「再建」策

なぜこんなに急ぐのか

ダイエー問題


 なぜこんなに処理を急ぐ必要があるのか。ダイエー問題をみていくと、ついて回るのが、この疑問です。たしかにダイエーは経営上の大きな問題を抱えています。しかし、金融庁やUFJ銀行など主力三行の動向をみると、浮かび上がるのは、不良債権処理加速による大手銀行の「収益改善」を最優先した身勝手さです。

竹中プランの中で

 UFJなどはダイエー「再建」をめぐり、産業再生機構の活用をダイエーに迫りつづけました。その背景には、UFJと三菱東京の両グループの経営統合があります。不良債権処理を加速させながら、銀行合併・金融再編をはかる金融庁の「金融再生プログラム」(「竹中プラン」)の流れのなかで起きていることです。

 「竹中プラン」のターゲットにされたのは、中小企業とともに、大手銀行が抱える大口融資先の流通、ゼネコン、不動産でした。政府保証をつけ、いざとなれば国民に負担を押し付ける産業再生機構を小泉内閣が設立したのも「不良債権処理加速」のためでした。

銀行側の狙いは…

 UFJと三菱東京の経営統合で障害になっていたのは、ダイエーに象徴される「不良債権」化した大口融資先をどうするかということでした。三菱東京側としては、UFJが抱えるダイエーなどの「不良債権」を処理し、身軽になることが経営統合の前提でした。

 産業再生機構を活用すれば、銀行側の負担を最小限にとどめてダイエーを大リストラし、ダイエー向け債権を「正常債権」にすることができるというのが銀行側の狙いです。

 再生機構を活用しなければ債権放棄(借金棒引き)などの金融支援を打ち切る―とダイエーに迫り続けたUFJなど主力三行。しかし、ダイエーがすすめてきた再建計画は、銀行団といっしょにつくったものでした。銀行側の事情が変わったからといって、いうことを聞かなければ手を引くというのは、いかにも強引です。

再生機構活用でも

 ただ問題なのは、再生機構を活用してもしなくても、大リストラが織り込まれていたことです。ダイエーの「民間主体の再建」案といっても、「はげたかファンド」とよばれる投資グループをはじめ外資が相次ぎ名乗りをあげ、ダイエーの切り売りという事態が想定されました。

 ダイエーが八月に銀行側に示した案も、食品部門を強化する一方、不振の衣料品などは縮小、営業エリアを首都圏や関西、九州地区に絞り、五十店以上の不採算店舗を閉鎖するか、食品スーパーに転換するというものでした。

 いずれにしても、正社員・パートの大幅人員削減や取引業者へしわ寄せする形での「再建」は、再建の名に値しません。

 渡辺健記者


ダイエー 創業者の中内功氏が1957年に「主婦の店ダイエー」1号店を開店。「良い商品をどんどん安く」と、メーカー主導の商慣行を打破。72年に三越を抜き小売業売上高日本一となりました。しかし、バブル時代の多角化路線の失敗で有利子負債が2兆円超に拡大。2002年にUFJ銀行など主力3行から総額5200億円の金融支援を受けるなど、再建に取り組んでいました。04年2月末現在の従業員数は1万190人、店舗数は9月1日時点で263店。



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