日本共産党

2004年10月1日(金)「しんぶん赤旗」

温暖化防止

京都議定書発効へ

ロシア、批准法案提出を決定


 【モスクワ=田川実】ロシア政府は三十日、地球温暖化の防止を目指す京都議定書の批准法案を下院に提出することを閣議決定しました。与党が三分の二を占める下院が批准するのは確実とみられます。ブッシュ米政権の参加拒否などで発効が危ぶまれていた京都議定書は、一九九七年の採択から七年をへて発効が実現する見通しとなりました。

 ロシアは昨年九月の米ロ首脳会談の後、議定書批准に消極的な態度に変わりました。「議定書批准は経済成長にマイナス」との主張が政治、経済、労組、科学アカデミーなど各界に広がりました。

 しかし、今年五月のプーチン大統領と欧州連合(EU)首脳との会談で、EU側からロシアの世界貿易機関(WTO)加盟支援を約束されて態度を再転換。プーチン大統領は「批准作業を加速させる」と表明していました。ロシアの関係各省は三カ月以内に議定書の義務履行の計画を策定する予定。

 京都議定書は、一九九七年に京都で開かれた気候変動枠組み条約第三回締約国会議(COP3)で米国も賛成して採択された同条約付属文書。二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を、二〇〇八―一二年の間に、先進国全体で一九九〇年比で5・2%減らすと定めています。議定書発効には、(1)五十五カ国以上が批准し(2)批准した先進国のガス排出量合計が先進国全体の55%となる―ことが条件とされます。米国が議定書から離脱したため、ロシアの批准が発効のカギを握っていました。


日本、迫られる追加対策

温室ガス

削減義務と大きな開き

 年明けとみられる京都議定書の発効後、日本政府には、二○○八―一二年の約束期間に二酸化炭素(CO 2)などの温室効果ガス排出量を一九九○年比で6%削減する義務が生じます。しかし、日本の○二年度の温室効果ガス排出実績は九○年比7・6%増加。目標とは13ポイント以上の開きがあり、早急な追加対策を迫られます。

 議定書ルールでは、排出削減目標を達成できなかった場合、一三年以降の次期約束期間に超過分の一・三倍の排出削減枠が新たに設定される上、国連の条約事務局に目標達成計画を提出するなどのペナルティーを科せられます。



もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp