日本共産党

2004年9月27日(月)「しんぶん赤旗」

中国記者が見た アジア政党国際会議

「明日への希望が放たれた」

「環球時報」 不破議長の発言と活動に注目


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3日、アジア政党国際会議の名誉委員長を務めた曽慶紅氏(右)と会談する不破議長

 中国・北京で三日から五日まで開かれた第三回アジア政党国際会議(主催=中国共産党)を中国メディアは大きく扱い、連日報道しました。そのなかで「環球時報」は、会議の意義や特徴などの全容をルポルタージュ風に、分かりやすく、生き生きとえがいています。そこでは、他のいくつかの政党のリーダーとともに、日本共産党代表団団長の不破哲三議長の発言や活動が紹介されています。その要旨を紹介します。

 人民日報が主管する国際問題紙「環球時報」は、三日から五日まで中国北京で開催された第三回アジア政党国際会議の様子を、取材記者の印象を織り交ぜながら、一ページの特集(六日付)で伝えました。「主人(主催者の中国共産党)と客人(その他の政党代表)の双方から平等と寛容、真実追求を深く感じとった」という会議のなかで、日本共産党代表団団長の不破議長の発言や交流の様子を取り上げ紹介しています。

私たちアジア

 「環球時報」は、今回の会議開催で中国共産党の歴史に「新たな一ページが付け加えられた」と表現。「八十年あまりの風雨を経て、中国共産党が初めて国際的な政党会議を主催した」と意義づけています。

 そのうえで、会議で採択された「北京宣言」は、「アジアの政党協力をより積極的な発展段階へと推し進めた」といえるもので、「アジアの発展がすでに歴史の新たな時期に入り、各国の政党は幅広く協力し、アジアの復興を探求しなければならない」との参加者の共通の思いが背景にあったと分析しています。

 会議の雰囲気について、「本紙温憲記者は、主人と客人の双方から平等と寛容、真実追求を深く感じとった」と述べ、それは「イデオロギーの違いを超えたオープンなフォーラム」であり、参加者たちが「相違点を残しつつ共通点を求め」る姿勢をもっていたからだと紹介。「三日間の会議開催中で、人々がもっともよく耳にしたのは、親和力の強い『私たちアジア』という言葉だ」と述べ、各代表・参加者の発言を織り込んで会議の内容を浮き彫りにしました。

情勢がさせた

 記事は、「多様性と違いのある大陸でもある」アジアでこのような会議が開催できたのは、「情勢がそうさせた」と続けます。

 同会議の名誉委員長である曽慶紅・中国共産党中央政治局常務委員・国家副主席が開会式での演説で、今アジアの平和と発展は「好機を前にしているだけでなく厳しい挑戦にも直面している」と指摘し、「協力の拡大によって互恵と双方勝利、共同発展を実現するには、アジア各国の政府と政党が政治的知恵を出し、政策と措置をまとめ、実際の行動をとる必要がある」と述べたと紹介しています。

 さらに、「アジア大陸には今も侵略、貧困、搾取、制裁、テロリズムなどの不安定要素が存在している」(シリア・バース社会党のアブドル・アフマル副書記長)、「各政党、代表の信条は違うが、私たちは団結して地域の平和と発展を確保しなければならない」(カンボジア・フンシンペック党のコル・ペン氏)、「アジアの政党として、私たちがアジアの希望です」(フィリピン・ラカスCMD議長のアロヨ氏)との、各政党代表の会議参加の思いを伝えています。

率先して交流

 次に「交流が私たちを協力に頑張らせる」との見出しの導入部で紹介されるのが、不破議長です。

 「九月四日、日本共産党の指導者の不破哲三氏が会議の分散会で発言し、少なくない参加者と率先して話を始めた。別の分散会からやって来たばかりのタイ愛国党副議長、タイ外相のスラキアット氏も不破哲三氏と長く雑談していた」

 温憲記者は、会議参加者に「会議の意義は何ですか」と尋ねた答えとして異口同音に「交流」という言葉が返ってきたと続けます。「『交流』というのはちょうど今回の会議の主眼の一つだ」とし、不破議長とスラキアット・タイ外相の交流の様子の後に、歓迎レセプションでの胡錦濤国家主席の言葉を引用しています。

 「アジア政党国際会議は、既にアジア各国の政党が相互に交流する重要な舞台となり、この地域の協力と発展を促進する重要なルートとなり、アジア各国の人民が理解を深め、友情を増進し、相互信頼を強め、団結を固める重要な紐帯(ちゅうたい)となっている」

 また、会議に積極的に参加したフィリピンのアロヨ大統領とタイのタクシン首相の言葉も続けて引用。「成功した実践を交流し、学ぶために交流し、政策を決定するために交流するのです」(アロヨ氏)、「みんなが一緒に歩き、『交流、協力、発展』について討論するのは、これらの政党の共通の目標、すなわち人民の利益のために奉仕するという目標を持っているからだ」(タクシン氏)と、交流の意義を強調しました。

協力への知恵

 「協力は私たちの明日の発展のため」という見出しに続くのは、「アジア大陸は政治的知恵に事欠かない」という言葉です。ここでも、不破議長が紹介されています。

 「インドの国民会議派、日本共産党などアジアの政党代表は期せずして、平和五原則と『バンドン精神』十原則が一九五〇年代にまさにアジア大陸で生まれたのであり、社会制度が異なる国が互いに尊重し、相違点を残して共通点を求め、平等に話し合うという行動規範となったことを指摘した」

 記事は、曽慶紅氏がアジア各国の交流、対話、協力を促進し、地域の平和、安定、発展を促進するために行った提案の内容を紹介するとともに、前出のインド国民会議派のソス氏の交流強化への決意を紹介。不破議長の発言を引用しました。

 「日本共産党の指導者の不破哲三氏は、分散会での発言で次のように指摘した。公正な国際秩序を築く面で、アジアはかつて推進作用を果たした。しかし、アジアの国である日本の近年の外交の動きは多くの面で、残念ながら、絶対多数のアジア諸国の願いに合っていない。来年は第二次世界大戦終結六十周年、国連創設六十周年、バンドン会議五十周年である。『私は、アジア政党国際会議がその時にイニシアチブをとられることを提案します』」

手を握り合い

 記事は最後に、天壇公園で行われた平和祈念署名式の様子を描写しています。「さまざまな肌の色をした代表たちが次々と、平和の願いを伝える布に自分の名前を書いているとき、千羽の平和のハトが放たれた。このとき明らかに、人類の明日へのすばらしい希望が放たれたのだ」

 また、その「希望を伝えるために」北京宣言が採択され、前夜の「九月四日夜から五日の午前四時半まで」草案の練り上げ作業が続けられたと伝えています。その結果、会議閉会式で参加者の大きな拍手で採択されたことが紹介され、記者の脳裏に開会式の様子がよみがえって来たとし、曽慶紅氏が紹介した歌「アジアの勇壮な精神」の一節で締めくくっています。

 「私たちのアジア、山は高々とあげた頭、河は熱い血のように流れる。私たちのアジア、木は根を絡ませ、雲も手を握り合う」



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