日本共産党

2004年9月24日(金)「しんぶん赤旗」

闇の政治資金(5)

広告

公明新聞 大企業ずらり


 日本歯科医師連盟(日歯連)事件追及のなかで本紙は、奇怪な広告を見つけました。

 公明新聞の二〇〇三年十一月八日付です。当時、日歯連会長兼日本歯科医師会(日歯)会長だった臼田貞夫被告と、公明党の坂口力厚生労働相との大型対談記事が掲載されていました。

日歯“知らない”

グラフ

 紙面の三分の二は使う大きさで、よくよく見ると「広告」「日本歯科医師会」という小さな文字。広告料は公明新聞の広告料金表から推定すると百六十万円になります。しかし、広告主であるはずの日歯は本紙に「知らなかった。こんな広告はだしていない」と明言。実際は政治団体の日歯連が出していたことが判明しました。坂口厚労相は、この対談が公明新聞の企画だったと国会で弁明しましたが、それならなぜ日歯連の「広告」なのか。日歯広報担当者も首をかしげる奇怪な広告。その実態は日歯連からの形を変えた政治献金だった疑いが濃厚です。

 かつて政界工作が問題になったKSDからも広告を受けていたことがある公明新聞。その広告収入を一九八九年までさかのぼって政治資金収支報告書で調べてみました。

 一九八九年、野党だった公明党の広告収入は一億円程度。それが二〇〇三年には四億一千万円と四倍近くあがっています。(図)

 広告主は大手ゼネコンや大企業が多いのが特徴です。二〇〇三年に同紙に大型広告を年十回以上掲載している企業を見ると、救心製薬が十八回あるほか、ハザマ、鹿島といったゼネコン、さらに、新聞用紙関係で日本紙パルプ商事、王子製紙、新聞印刷関係で四国新聞、東日印刷など。日本経団連会長企業であるトヨタも十二回だしていました。年間十回以下でも日本建設業団体連合会、前田建設といったゼネコンや日立製作所などの大企業がずらりと名を連ねています。公明新聞の広告料金表で計算すると、トヨタ関係の広告は千三百四十四万円にもなります。

 岩波新書「政治献金」を書いたジャーナリストの古賀純一郎氏は、そのなかで、日本経団連が政権与党の公明党に「政策評価」にもとづく財界献金を打診したら、「公明党は、『政策評価による献金は不要。別の方法を考えてほしい』と、暗に、広告による献金を要求したという」としるしています。古賀氏は「経団連の有力会員企業によると」として前出のくだりをしるしています。

 “広告による献金”という手法は、自民党の得意手でもあります。

 自民党が発行する機関紙「自由民主」、月刊誌「月刊自由民主」「りぶる」などには業界団体や大企業の広告がずらりと並んでいます。これら機関紙誌等の事業収入の推移をみると、一九九〇年からの二、三年で急激に膨張しました。

上限規制もなし

 九〇年の総選挙で自民は百五十億円の借金をつくり、財界はその返済支援のため、政治資金規正法の制約を受けず、上限規制もない広告費を使って献金しました。献金自粛のはずの電力業界も広告料名目で十六億円を支出したことなどが明るみに出ました。これがマスコミでも批判されると、今度は急激に減りました。異常な広告費の支出もまた隠れた政治献金です。

 闇の政治資金――。

 本紙は今後もその実態を追及していきます。

 (おわり)



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