日本共産党

2004年9月17日(金)「しんぶん赤旗」

高齢者大会

分科会で討論、閉幕

年金、介護、憲法−学び、行動へ


 千葉市で開かれていた第十八回日本高齢者大会は二日目の十六日、年金、介護保険、医療、福祉、環境、憲法など多彩なテーマで、二十九の分科会と学習講座などを行い、閉幕しました。


年 金

“国民年金では食費分もない”

国会に怒り示そう

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年金をめぐり活発に討論した「誰でも生活できる年金を」の分科会=16日、千葉市

 「誰でも生活できる年金を」の分科会には、六十人を超す人が参加しました。

 助言者の小越洋之助国学院大教授は、七割を超す国民が反対の年金改悪法の問題点を説明。「保険料を上げ、給付を減らす改悪は、国民大収奪のシステム」と指摘しました。

 小越氏は、財界が基礎年金部分を消費税、厚生年金の二階建て部分は民営化を狙っていると述べ、一元化を口実にする改悪の危険性に言及。民主党の一元化案も、財源を消費税でまかなう点で財界と同じ方向だと批判しました。

 京都から参加した冨部二三枝さん(71)は「家賃や光熱費、慶弔費などを払うと、国民年金では食費分が足りない。生活のために取り崩している貯金も、あと数年で底をつく」と発言しました。

 改悪年金法の審議をやり直させるため、どういう活動が必要かも議論。神奈川・藤沢市の曲田弘さん(67)は「労働組合などとの連携を強め、地域、草の根で悪法をやめさせる運動を」と提案しました。

 全日本年金者組合の森信幸委員長が「最低保障年金制度の実現を国民全体の要求にしていこう。審議やり直しを求める署名を広げ、臨時国会に国民の怒りの声を示そう」と呼びかけました。



介護保険

月3万円で生活の利用者も…

誰でも利用できる制度に

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「介護保険法の全面見直しに向けて」の分科会で討論する参加者=16日、千葉市

 日本高齢者大会の第六分科会「介護保険法の全面見直しに向けて」には約八十人が参加。来年が介護保険制度の実施から五年目で全面改定の時期を迎えることから、誰もが安心して利用できる制度にするためにどう提言や運動をすすめていくか―活発に議論しました。

 日弁連高齢者・障害者の権利に関する委員会委員長の高野範城弁護士が問題提起をしました。

 高野氏は、厚生労働省が保険料支払いを二十歳からとするなど国民負担増を狙っており、介護が必要になる前の「予防」を重視するとの名目で、要介護度ランクの「要支援」「要介護一」程度の人をサービスから締め出そうとしていると指摘。高齢者や福祉現場の人が声をあげることが大事だと強調しました。

 討論で、山梨県のホームヘルパーは「ある介護保険の利用者は月三万円ちょっとで生活し、なんにも食べてなくてふらふらというありさま。制度見直しで、こういう人たちが介護サービスも受けられなくなる日が来るのでないかと毎日、不安です」と訴えました。

 「介護保険料は個人の所得に応じたきめ細かい段階制にし、天引き制度はやめるなど七つの提言を行っている」(全国老後保障地域団体連絡会)、「介護保険料の不服審査運動を毎年続けている」(関東・介護保険料に怒る高齢者一揆の会)など、各地から発言。身体障害者や特養ホームの職員らからも、共同したとりくみをすすめていこうとの訴えがありました。



本当の改革へ力合わせ

小池参院議員あいさつ

 千葉市で開かれた第十八回日本高齢者大会の全体会(十五日)で、日本共産党の小池晃政策委員長・参院議員が来賓あいさつしました。要旨を紹介します。


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あいさつする小池晃参院議員=15日、千葉市

 日本で一番、夢と希望とエネルギーにあふれた集会に参加されているみなさんに、心からあいさつを送りたいと思います。(大きな拍手)

 国会は本当だったら、もう九月の中旬ですから、すでに開いてなければいけません。ところがいまだに政府・与党は、国会の門をかたく閉ざしています。いま審議をすれば、米軍基地の問題や日本歯科医師連盟の政治献金の問題など、政府が次から次へと追及される材料に事欠かないからだと思います。

 一日も早く国会を開かせ、年金改悪をやり直せ、元に戻せというたたかいを全力をあげてとりくんでいきたいと思います(拍手)。こんどの年金改悪は中身も、やり方もあまりにひどすぎました。保険料は毎年、毎年、引き上げ、年金給付は切り下げる。保険料には上限がある、受け取る年金は現役世代の五割――両方ともうそだった。しかもそのうそが明らかになったなら、こともあろうに、この私の質問の直前で打ち切って、強行採決をして、そのあとで、出生率にしてもうその数字を明らかにした。

 どのような年金制度の考え方があろうとも、このようなやり方で強行した中身では、絶対、国民の信頼を得ることはできないし、年金制度としても長続きすることはできない、やり直すしか道はないんだということを訴えたい。そのために力を合わせようではありませんか。(拍手)

 年金の立て直しについて、ヨーロッパでは二〇〇三年三月に、欧州議会で年金改革の三つの原則を確認しました。第一に掲げられている目標は、高齢者が貧困に陥ることなく、品位ある生活を保障するというものです。あまりにも日本の年金の改悪のやり方とあべこべの中身ではないでしょうか。これこそ本当の改革だという声を一緒に広げていこうではありませんか。(拍手)

 もう一つ、米軍ヘリの墜落事故で明らかになったアメリカの植民地のような日本のあり方も、きたるべき国会で、ともにたたかっていきたいと思います。この問題でも世論は大きく変化しております。この声と力を合わせ、基地のない日本を一緒に実現していきましょう。(拍手)

 これから最大のたたかいとなってくるのが、憲法改悪と消費税増税という大問題です。自民、公明、民主が一体となって、改憲と増税のレールを敷きつつある。この攻撃はまさに高齢者大会に参加されているみなさんが、青春の炎を燃やして勝ち取ってきた成果を根こそぎ覆す改悪にほかならないと考えています。

 みなさんのこれまでのたたかいをさらに上回る大きな力と、私ども若い世代との力で、憲法改悪と消費税増税にたいするたたかいを全力でとりくんでまいりたいと思います。(大きな拍手)



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