日本共産党

2004年9月9日(木)「しんぶん赤旗」

橋本元首相を聴取

日歯連1億円

報告書に記載せず

最大派閥の疑惑追及へ


 自民党旧橋本派(平成研究会)が日本歯科医師連盟(日歯連)からの小切手一億円を政治資金収支報告書に記載せず、ヤミ金として処理した事件で、東京地検特捜部は七日、同派会長だった橋本龍太郎元首相(67)を事情聴取しました。事件は自民党最大派閥代表の元首相にヤミ金の趣旨や経緯をただすという重大事態に至り、「記憶にない」などと逃れる元首相ら同派幹部にたいする今後の追及が焦点になっています。

 特捜部は既に政治資金規正法違反(不記載)の疑いで同派会計責任者滝川俊行容疑者(55)を逮捕。元首相らの関与を調べています。

 元首相は聴取に対し、不記載への関与などを否定したとみられます。

 問題の一億円は、参院選直前の二〇○一年七月上旬、日歯連前会長臼田貞夫(73)、前常任理事内田裕丈(63)両容疑者が、都内の高級料亭で橋本元首相に小切手で提供。自民党の青木幹雄参院議員会長と野中広務元幹事長も同席し、小切手を確認した、と内田容疑者は供述しています。

 日歯連内部資料には、料亭会合について「平成研究会 橋本 野中 青木」の記載もありました。

 滝川容疑者は元首相から一億円の小切手を受け取り現金化しましたが、収支報告書に記載せずに提出。一億円はヤミ金として派閥の金庫に保管されました。


「記憶にない」ですむのか

 日歯連の一億円小切手を受けとった橋本龍太郎元首相も、立ち会った自民党の青木幹雄参院議員会長、野中広務元幹事長も「記憶にない」と、追及をのがれようとしています。

 逮捕された旧橋本派会計責任者が元首相らと口裏を合わせれば事件は、会計責任者の「個人ミス」による政治資金規正法違反事件(不記載)=五年以下の禁固か百万円以下の罰金=として処理され、元首相らへの波及は避けられる――。それが旧橋本派の筋書きでしょう。元首相らは立件せずという観測がすでに一部で報道されています。

 しかし、そんなことを許す捜査では国民は納得しません。かつて、金丸信元自民党副総裁が五億円をヤミ献金としながら、強制捜査もされず、略式起訴による二十万円の罰金ですまされ、世論の厳しい批判を受けました。一億円もの巨費を受けながら「記憶にない」などという理由で幹部は責任をのがれる――これでは正義などないというのが国民の実感でしょう。

 この一億円に関連して捜査で解明すべきいくつものヤミがあります。

 一億円の日歯連献金という旧橋本派への異例の献金は特定の目的があったはずで、それは何か。ヤミ献金の使途は何か。一億円だけでなく同派の収支報告書全体が繰越金架空計上などウソだらけ――という疑惑も浮上しました。

 さらに、一億円ヤミ献金を“合法処理”するために、同派会計責任者が自民党事務局長に相談。両者がこの献金を国民政治協会、自民党本部を経由した「迂回(うかい)献金」にしようとした疑惑も浮上しました。これは同派にとどまらない自民党の組織ぐるみの疑惑隠しで、自民党自身の責任が問われています。

 三人の派閥幹部、自民党事務局長らの関与など事件全体にメスを入れる捜査、さらに自民、民主、公明二百六十五議員に広がる献金に象徴される日歯連政界工作の全容など国会での証人喚問を含む真相究明が今こそ求められています。

 藤沢忠明記者



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