日本共産党

2004年9月7日(火)「しんぶん赤旗」

「将来の球界のため」

選手会 苦渋のスト決断

ファンに失望感与えたくない


 労組・日本プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト)は六日、オリックスと近鉄の球団合併の一年間凍結を求め、ついにストライキを決断しました。栗原千鶴記者


 「いまわれわれができることは、もうこれしかないと思う。選手としてみんな野球がやりたい。でも野球をやめてまで、決断しなければならないときだと感じています」

 記者会見で古田会長は決意に満ちた表情で語りました。日本のプロ野球史上初めてのスト――。選手会にとって、今回の決断は並々ならない覚悟が必要だったはずです。ペナントレースは終盤に差し掛かり、タイトル争いも佳境です。資金に乏しい選手会は、スト期間中の選手の年俸カット分を補填(ほてん)することも難しい状況です。

 それでも、今回の決議に至った背景には「将来のプロ野球界、そしてファンのためにたたかいたい」(礒部公一・近鉄選手会長)、「合併に反対する署名が百万人分も届いている。ここでなにもせず、ファンに失望感を与えたくない」(古田会長)という思いがあります。

 この間の世論調査でもストを含め、ファンは圧倒的に選手会の考え方や行動を支持しています。「性急な合併に反対し、納得できる話し合いを」「一部球団だけに人気や戦力が偏る球界を見直そう」―選手会の訴えは、多くのファンが同様に感じていることです。親企業の利害関係だけが支配するプロ野球を、選手やファンの声が届く球界に変えたい――選手会とファンのたたかいは、プロ野球の将来を切り開いていくはずです。


スト支持、圧倒的多数

オリックス対日ハム 観戦のファン

 球団合併問題をめぐり、日本プロ野球選手会が六日、今週末以降のスト突入を決めました。月曜日のため唯一のプロ野球カードとなったオリックス対日本ハム戦が行われた神戸市のヤフーBB球場でファンに聞くと、圧倒的多数の人が「スト支持」を表明、選手たちへエールを送りました。

 高知市から訪れた会社員矢野智巳さん(28)は「プロ野球は選手がメーン。(ストは)やった方がいい」と選手会の対応を支持。日本ハムファンの東京都杉並区、大学生山内正太郎さん(18)も「合併には反対。選手がストをするなら支持する」と話しました。

 兵庫県明石市の大学生(19)も「今回の合併劇はオーナーの暴挙だ。ストは選手会も考えての判断のはずで、最終手段のストライキもやむを得ない」と話しました。

 四年前交通事故に遭い、障害を負った神戸市に住むオリックスファンの男性(39)は事故後、オリックス戦を見て、生きる力をもらったといいます。「ストをしてでも合併はしてほしくない。(ストで)試合が見られなくても、しばらくは我慢できる。オリックスとして残ってほしい」と熱く語りました。


スト支持する全労連が談話

 労組日本プロ野球選手会が合併凍結がされない場合に、ストライキでたたかうと決定したことについて、全労連(全国労働組合総連合)は六日、ストを断固支持するとの坂内三夫事務局長の談話を発表しました。

 談話は、七月の全労連大会で選手会のたたかいへの全面支援を確認し、巨人の渡辺前オーナーの発言への全国的な抗議や宣伝・署名を各単産・地方組織が展開してきたと指摘。選手会が一九八五年、東京都地方労働委員会によって労働組合として承認され、「労働者」と判断されていること、団体交渉やスト行使も当然、合法的で労組法に基づく不当労働行為の救済や民事・刑事免責も受ける立場にあるとしています。

 「一年間合併凍結」など選手会が掲げる具体案は野球ファンだけでなく、多くの国民に支持される要求であり、全労連は連帯してたたかうと表明しています。

連合も支持談話

 連合の草野忠義事務局長は六日、労組日本プロ野球選手会(会長・古田敦也ヤクルト捕手)が球団合併問題をめぐり、合併凍結がなければストライキ権を行使すると決定したことについて「連合として支持する」との談話を発表しました。

 草野事務局長は「必要な議論を一年間かけ行うという選手会の主張は、当然のこと」と指摘。さらに、「労使の間で実質的な協議が十分に行われることなく、性急に結論が出されようとしていることは誠に遺憾」と球団側の対応を批判しました。

 球団合併問題をめぐっては、先月十二日に古田会長ら選手会関係者が笹森清連合会長に協力を要請。これを受け、連合は選手会の支援を決定していました。


1リーグ制

賛成7% 反対は37%

民間調査

 民間の調査機関「日本リサーチセンター」(東京都中央区)は六日、プロ野球一リーグ制に関する世論調査の結果をまとめました。それによると、一リーグ制に賛成する人は7%で、「反対」の37%を大きく下回りました。

 調査対象は八月に十五―七十九歳の男女から無作為抽出で選び、千三百三十二人から有効回答を得ました。

 一リーグ制について、「大いに賛成」(2・9%)と「やや賛成」(4・1%)を合わせた賛成派は7・0%。これに対し、「やや反対」(13・6%)、「大いに反対」(23・2%)を合わせた反対派は36・8%でした。「どちらともいえない」は22・8%、「分からない」は32・3%でした。

 「反対」の理由(自由回答)で最も多かったのは「オールスター戦や日本シリーズがなくなる」(百三十五件)で、次いで「つまらなくなりそう」(九十三件)、「ファンが減る」(三十九件)など。「賛成」の理由(同)としては、「今まで当たらなかったチームの対戦が見られる」(十五件)、「球団経営が赤字だから仕方がない」(十二件)、「現在の野球はマンネリ化している」(八件)などでした。



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