2004年9月5日(日)「しんぶん赤旗」
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【北京=菊池敏也】北京での第三回アジア政党国際会議の討論は、三日から三つの会場に分かれておこなわれています。日本共産党代表団長の不破哲三議長は、第二日の四日午前に演説し、戦争のないアジアと世界の実現を訴えるとともに、「バンドン宣言」(一九五五年)が世界の平和秩序の諸原則を提起し、今日重要な意義をもっていることを指摘しました。
そのうえで国連憲章署名・発効六十周年、バンドン会議五十周年にあたる二〇〇五年に、アジアの政党がイニシアチブをとって、「平和の国際秩序の建設を求める共通の意思」を世界に発信することを提案しました。
不破氏は、第二次世界大戦の終結と国連創設以来の六十年近くにわたる国際政治の歴史をふりかえり、国連憲章の定めた平和の諸原則が今日の国際原則になっており、植民地主義の崩壊によって、アジア、アフリカ、ラテンアメリカが国際的に有力な地位を占めるなど、国際情勢の変化が根底にあることを明らかにしました。
不破議長は、演説のなかで戦前戦後の日本共産党の反戦平和の歴史を紹介するとともに、最近の党の野党外交の状況と特徴を明らかにし、党の平和外交を定めている党綱領についても紹介しました。そして、アジア諸国と政府との対話と協力の関係をより広く発展させていきたいと表明しました。
不破団長は演説後、与党や野党のいくつもの党の代表や傍聴者から「すばらしい演説だった」と祝福をうけました。
インド国民会議派リーダーのチャビルダス・メータ団長は不破氏に、「すばらしい演説を心から祝福します。私は、あなたのもっているキャラクター(人格)と演説で表明された思考に大きな魅力を感じました」と語りかけ、「世界の政治を歴史的に深く掘り下げ、今日の情勢の特徴を描き、方向づけをしたスケールの大きい演説でした」とのべました。同党は、五月の総選挙で政権に復帰し、マンモハン・シン首相を送っている政党です。
スリランカ統一国民党のペレラ団長は、「不破氏の演説は、世界の平和と社会進歩の流れと方向を示したグローバルなもの」との感想を語りました。この党は四月の総選挙で下野した党で、ペレラ下院議員はそれまで閣僚を務めていました。
また、休憩になるのを待って、三社の放送局、通信社の記者からインタビューを受けました。そのなかでは、とくに国際平和秩序の厳守の重要性と関連して、バンドン宣言五十周年にちなんでの不破議長の提案に関心が集中しました。