日本共産党

2004年9月4日(土)「しんぶん赤旗」

学生無年金障害者訴訟

“制度の谷間”救済を

東京高裁で控訴審始まる


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学生無年金障害者訴訟の控訴審口頭弁論後に開かれた報告集会=3日

 学生無年金障害者訴訟の控訴審第一回口頭弁論が三日、東京高裁(宮崎公男裁判長)で開かれました。小酒井秀市さん(44)ら四原告勝訴の東京地裁判決(三月二十四日)を不服として国が原告のうち三人について控訴、これに対抗し小酒井さんら三人も控訴していたもの。

 口頭弁論で小酒井さんらの弁護団の高野範城弁護士は控訴理由を説明。障害者が経済的に自立して生活するために障害基礎年金が不可欠であり、制度の谷間で無年金になっている重度障害者の小酒井さんらに年金を支給するのが当然だと主張しました。

 高野弁護士は、立法不作為による国家賠償責任を認め、小酒井さんらに各五百万円の支払いを命じた東京地裁の一審判決を尊重し、高齢の両親に支えられながら苦しい生活を強いられている無年金障害者に、一刻も早く年金を支給するべきだと強調しました。

 東京地裁原告のうち、地裁判決で、障害基礎年金の支給要件を満たしているとされ年金支給が決定された岡村佳明さん(40)については国は控訴せず一審判決が確定しています。


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 学生無年金障害者

 学生は二十歳以上でも国民年金には任意加入とされ、加入していない間に、けがや重い病気で障害を負っても、障害基礎年金が支給されませんでした。学生無年金障害者の運動と世論の高まりの中で、一九九一年四月から学生も強制加入になり、二〇〇〇年四月から、「保険料支払いは、社会に出てから」という「学生納付特例制度」が導入されました。

 政府は、このような手直しを重ねながら、学生無年金障害者の年金支給を求める声を抑えつづけていますが、東京地裁が画期的な原告勝訴の判決を出しました。東京地裁原告を含め全国で九地裁に三十人が訴訟を起こしています。

 



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