2004年8月31日(火)「しんぶん赤旗」
129カ国、300の女性団体が加盟する国際民主婦人連盟(WIDF)のアジア太平洋地域会議が8月18日から20日までマニラで開かれ、平和シンポジウムも開催されました。日本から出席した堀江ゆり日本婦人団体連合会会長のリポートです。
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今回の会議は、この地域の平等・開発・平和の到達を話し合い、今後の行動計画を決めるために開かれたもので、フィリピンの女性連合ガブリエラが開催団体となりました。討論の主なテーマは「平和と安全保障、貧困、人身売買、グローバル化の否定的影響」。なかでも「平和と安全保障」は最重要課題と位置づけられ、「アジアと世界の平和をめざす女性シンポジウム」も行われました。
シンポジウムは国際民婦連とフィリピン大学の共催で、会場は大学構内。平和活動家、大学関係者、学生などさまざまな人が参加していました。私はパネリストの一人として「核兵器廃絶のための行動への参加と、日本の憲法改悪反対のたたかいへの連帯を」と題する報告をしました。過去の侵略戦争の反省から作られた憲法の改悪を阻止することの国際的意義を訴えるとともに、「核兵器なくそう女性のつどい」や母親大会をはじめ、日本を再び「戦争する国」にしないための草の根のとりくみを紹介しました。
討論では、フィリピンでも軍事費が生活予算を圧迫しているという発言がありましたが、「平和憲法があるのにアメリカに次ぐ軍事大国」「米軍基地に膨大な土地を提供し思いやり予算まで出し、沖縄のヘリコプター墜落事故の現場検証すらできないという主権侵害がある」「医療や福祉はたち遅れ、さらに改悪されようとしている」という日本の実態に、参加者は驚いたりあきれたり。
私が「基地撤去の経験に学びたい」と言ったら、若い司会者は「その運動に参加した人も来ていますが…」。フィリピンの人々が国民の総意で米軍を追い出してから、すでに十年以上基地のない生活を送ってきたことを改めて実感した瞬間でした。
一方、ミンダナオ島の女性は「かつて日本軍慰安婦がいた所なのに、テロを口実にした米軍の演習再開で売買春が増加している」と告発しました。日本の女性が、二度と戦争の加害者にも被害者にもならないという決意で首相の靖国参拝に抗議し、「従軍慰安婦」問題の解決のために活動していることは、共感をもって受け止められたと思います。発言の最後は、日本政府の謝罪と補償を要求しているフィリピンの「慰安婦」支援団体の女性。連帯してがんばろう、という言葉がシンポの締めくくりとなりました。
ガブリエラの代表リサ・マサさん(四十七歳、下院議員二期目)の紹介で、下院議長や女性議員たちと懇談できたのも有意義でした。下院議長は議長四回目のベテランで、もちろんアロヨ大統領の与党の人ですが、九条問題を説明すると「フィリピン憲法は変えても日本国憲法は変えてはいけない」ときっぱり。
女性下院議員は二百三十六人中三十六人で立場の違いをこえて女性に対する暴力問題などにとりくんでいるのは、日本と共通しています。「従軍慰安婦」や改憲問題に深い共感を示してくれました。フィリピン議会「九条の会」が作れる? という感じです。
地域会議は最終日に、外国軍基地の撤去、朝鮮半島の核問題の平和解決、日本国憲法を守る、「いま、核兵器の廃絶を」署名にとりくむ、などを盛り込んだ決議を採択しました。核兵器も戦争もない世界のために、国内外の女性の共同は可能だと、アジアと世界の平和への強い流れを感じた三日間でした。