日本共産党

2004年7月28日(水)「しんぶん赤旗」

日歯連事件の吉田前自民議員ファミリー企業

実体なしで国の事業受注

転送電話と郵便受けだけ


表

 日本歯科医師連盟(日歯連)の横領事件で東京地検に逮捕された前自民党衆院議員、吉田幸弘容疑者の実体のないファミリー企業二社が、経済産業省の歯科医療関連委託事業を下請けとして受注していたことが分かりました。吉田容疑者は同事業推進のため経済産業省担当者と面談を重ねており、ファミリー企業の受注経緯が注目されます。

 問題の委託事業は、歯科分野の保険医療データを視覚化するもの。経済産業省は同省所管の財団法人「イメージ情報科学研究所」に、〇一年度七億二千二百七十万円、〇二年度は六億六千万円で委託しました。

 同研究所は、〇一年度について委託事業の一部である歯科保険医療ネットワークシステム開発実証事業を日本歯科医師会(日歯)に発注。日歯はさらに大阪・吹田市の歯科専門商社モリタに七千百万円で下請けさせ、モリタはさらに三千九百万円で、日本テクノ・ソリューション(以下JTS社)に発注しました。

 JTS社は、登記上の本社が東京・千代田区麹町の雑居ビルにあり、ここには転送電話と郵便受けしかありません。社長は、吉田容疑者が代表の自民党愛知県衆院比例第四支部の会計責任者。吉田議員のファミリー企業です。

 また、イメージ情報科学研究所は、〇二年度についても委託事業の一部である電子カルテシステム事業を前出のモリタに五千万円で発注。さらにモリタからコンピューター会社を経て名古屋市のオー・アール・シーに三千五百万円で発注。オー社はさらにその一部をJTS社に千二百二十万円で下請けに出すというやり方をとっています。

 このオー社も、吉田容疑者自身が社長として設立。公設秘書だった妻と父親が役員というファミリー企業です。同社の電話番号も公開された電話帳には掲載されておらず、経産省に届けた電話番号でも連絡できない状況です。

 経済産業省幹部は国会で、歯科医療の情報化問題で〇一年春から初夏にかけ、吉田容疑者と同省担当課長、職員が「数回意見交換」をおこなっていることを認めています。JTS社はこの「意見交換」の時期である〇一年四月二十日に設立されています。


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