日本共産党

2004年7月17日(土)「しんぶん赤旗」

経済財政白書

小泉「改革」持上げ

雇用、所得回復の遅れは認める


 内閣府は十六日、二〇〇四年度の年次経済報告(経済財政白書)「改革なくして成長なしIV」を公表しました。白書は、企業部門の改善や家計部門の底堅さをとりあげ、「日本経済は長期停滞から脱しつつある」と指摘。小泉内閣による「構造改革は、長期にわたって日本経済を下押ししてきた重しの除去に総合的な成果をあげてきた」と強調しました。

 景気の現状として、「輸出の増加や設備投資の増加によって、(景気)回復の足取りが、一段と着実さを増してきた」と述べ企業部門の改善を強調する一方、「雇用や所得の回復はやや遅れている」と指摘。個人消費の底堅さは「所得の減少に応じて、貯蓄率が低下し、消費を安定させてきたことによるもの」と分析しています。

 白書は、景気回復の割に賃金が伸びないことについて、企業が「人件費の増加に慎重であること」、給与が相対的に低い「パートタイム労働者の比率が増えていること」を指摘。今後についても雇用者所得の伸びが「緩やかなものとなる」との見方を示しました。

 また白書は、地域によって景気回復の度合いに格差が生じ、中小企業も大企業に比べて厳しい状況にあると分析。「遅れている分野に回復を波及させていくことが課題だ」と述べました。

 少子、高齢化に備えた財政構造「改革」の持続として、「〇六年度までに、徹底した歳出削減努力を積み重ねつつ、必要な税制上の措置を判断する」と述べ、消費税増税など国民負担増押し付けに含みを持たせています。


解説

改革の成果は大企業だけ

 白書は、小泉内閣による「構造改革」が「日本経済を下押ししてきた重しの除去に総合的な成果を上げてきた」と持ち上げました。

 「構造改革」による大企業への税制上の優遇やリストラ推進策などで、確かに大企業には「景気回復」をもたらしたかもしれません。しかし、国民にもたらされたものは、七兆円を超える負担増(二〇〇六年度まで、平年度ベース)や不良債権処理による中小企業・地域経済への打撃、大企業のリストラ推進による家計の破壊でした。

 そうした実態のもとで、どれだけ大企業の好調さによる景気回復を誇ってみても、「雇用と所得の回復がやや遅れている」「雇用や賃金の動向が、依然として弱い動きにとどまっている」「地域経済の回復状況にばらつきがある」と、白書自身が取り上げざるを得ませんでした。

 白書は、危機的な財政状況を脱却するために「徹底した歳出削減努力」と「必要な税制上の措置を判断する」ことなど、さらなる国民負担増を打ち出しました。しかしその一方で、年金改悪による保険料引き上げで「半数程度が消費を減少させると回答している点には十分留意が必要だ」と消費低迷への影響を指摘するなど、小泉「構造改革」の破綻(はたん)ぶりを示しました。

 山田英明記者


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