日本共産党

2004年7月10日(土)「しんぶん赤旗」

中国人強制労働で賠償命令

西松建設 原告5人に2750万円

広島高裁


 第二次大戦中に日本に強制連行され、発電所建設工事で過酷な労働を強いられたとして、中国人の元労働者と遺族ら五人が西松建設に総額二千七百五十万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が九日、広島高裁でありました。鈴木敏之裁判長は「損害賠償義務を免れさせることは、著しく正義に反する」と述べ、請求を退けた一審広島地裁判決を取り消し、全額賠償を命じました。

 一連の中国人強制連行訴訟で、高裁段階で原告側が勝訴したのは初めて。福岡高裁が今年五月、三井鉱山訴訟で原告の請求を退けたばかりです。西松建設側は上告しました。

 判決で鈴木裁判長は、西松建設が中国・青島港で中国人労働者の引き渡しを受けて、不衛生な状態で食事も十分に支給せずに危険な重労働に従事させたと認定。強制連行・強制労働に当たり、不法行為や安全配慮義務違反があったとしました。

 不法行為に関する賠償請求権については、一審同様、民法の「除斥期間」規定により、二十年以上経過しているから消滅したと判断しました。しかし、安全配慮義務違反については、「強制連行・強制労働は重大な人権侵害」「西松建設は態度を明確にしないまま補償交渉を続け、結果的に訴訟提起を遅らせるなど、誠実とはいえなかった」などと指摘し、同社が十年の時効を理由に請求権消滅を主張するのは権利の乱用で許されないと結論付けました。

 判決によると、原告の宋継堯さん(76)ら五人は四四年、西松建設が請け負っていた広島県加計町の安野発電所工事の現場に連行され、強制労働させられました。宋さんがトロッコ転落事故で失明するなど三人は障害を負い、二人が原爆被爆などにより死亡しました。


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