2004年7月9日(金)「しんぶん赤旗」
今回の参院選には、受託収賄罪などで公判中の鈴木宗男元衆院議員や、秘書給与詐取事件で有罪が確定し執行猶予中の辻元清美元衆院議員が立候補したことなどから、「政治とカネ」の問題が改めて注目されています。日歯(日本歯科医師会)の贈収賄事件の影響で日歯連(日本歯科医師連盟、日歯の政治団体)推薦の自民党比例候補が立候補を断念しました。
アメリカと大企業・財界いいなりの政治のゆがみをただせるかどうかは、政治とカネの問題と不可分です。この問題での各党の態度をみると―。
昨年の総選挙を契機に、日本経団連による「政党通信簿」(政策評価)を道具とした露骨な政治買収の動きがあります。一月に経団連は財界要求に沿うかの基準で自民、民主両党の第一次政策評価を発表。両党を対象にしたのは「企業の政治寄付を受け入れる意思を明らかにしている」(発表にあたって)からです。
自民党の小泉首相は「喜んで受け取ります」(〇三年十月一日、衆院予算委)との立場。民主党の岡田克也代表は「政策実現の実績だけでは与党に有利になる。政治改革や政権交代への姿勢なども基準に入れてほしい」(〇三年七月十六日、幹事長当時)と経団連との会談でのべていました。
公明党は「透明性が高まる」(神崎武法代表)と政策評価を歓迎。二十一世紀臨調の「マニフェスト」(政権公約)検証大会では「年金問題で負担の議論は避けていない」(北側一雄政調会長)とアピールしました。
参院選で問われている年金問題でも自公民各党は「だれがやっても給付は減らし、保険料は上げざるを得ない」(小泉首相)などといって、大企業の負担にはふれようとしません。その根底には、財界からカネも知恵も借りて政治を行っている実態があります。
日歯連からの献金は自民、民主、公明各党の百人以上の議員にわたりました。自民党が政治資金団体の国民政治協会を経由して集めた企業・団体献金は三十二億五千万円。民主党は形を変えた企業献金の政治資金パーティーを開くほか、収入の八割を政党助成金に依存しています。公明党も政治資金団体の公明政治協会から三億円の寄付を受け、東京都選管届け出の政党支部では千四百万円の企業献金を集めました。(いずれも〇二年分)
社民党も収入の半分以上を政党助成金に頼り、千五百万円の企業・団体献金を受けています。
日本共産党は、企業・団体献金を一切受け取っていない唯一の政党です。政治をカネの力でゆがめる企業・団体献金の即時廃止と、国民の税金を思想信条の自由に反して分け取りする憲法違反の政党助成金の中止を求めています。
自民党政権のゆがみを大もとからただせるのも、大企業・財界からのひもつき献金を一円も受け取らないからです。