日本共産党

2004年7月7日(水)「しんぶん赤旗」

「政治とカネ」の関係にメスを

自・公・民主・社民の金権・腐敗の3年間


 公共事業をめぐる口利き、秘書給与詐取、政党助成金を使った買収選挙―。前回参院選の二〇〇一年から現在までの三年半だけをみても「政治とカネ」をめぐる事件が後をたちません(表参照)。特徴は、日本共産党を除く各党に金権・腐敗が広がっていること。この根源には、政治をカネの力でゆがめる企業・団体献金の存在があります。

公共事業で口利き

 公共事業で「口利き」し、カネをとる行為は、まさに税金の私物化です。この間、表面化したのは、自民、民主両党議員の元秘書や政策秘書がかかわった「口利き」疑惑です。

 政治家名は、民主党副代表だった鹿野道彦元農水相、加藤紘一自民党元幹事長、三権の長、井上裕参院議長(自民党を離脱)と続きました。小泉内閣の閣僚だった大島理森農水相にも、選挙区内の青森県八戸市の市立病院建設をめぐり元公設秘書が六千万円の「口利き」料を受領した疑惑が発覚、昨年三月三十一日、辞任しました。

秘書給与流用・詐取

 大阪選挙区の辻元清美候補(無所属。元社民党衆院議員)など、秘書給与を詐取・流用した政治家は、自民、民主、社民の各党に広がりました。

 二〇〇〇年七月から「名義借り」を始めていた民主党の両院議員総会長だった佐藤観樹元自治相の場合、同党の山本譲司衆院議員(当時)に実刑判決が出ても、辻元議員の疑惑が発覚しても、秘書給与詐取を続けるという厚顔無恥ぶりでした。

政党助成金で買収

 昨年秋の総選挙では、買収・供応など、悪質な公職選挙法違反で逮捕者を出した陣営は、自民十九、民主七と「二大政党」ぶりを示しました。

 このうち、小泉首相も応援した新井正則前衆院議員は、買収資金に国民の税金である政党助成金を使ったことを認めています。

 国民の「思想・信条の自由」を侵害する政党助成金が、政治浄化どころか、腐敗資金にさえなっていることを浮き彫りにしました。

企業・団体献金

  サラ金業界の政治団体の「協力」リストには、自民党だけでなく、公明、民主両党議員も掲載されるなど、汚染の“境界”がなくなっています。

 診療報酬引き上げのため、中央社会保険医療協議会の委員に贈賄工作をおこなっていた日本歯科医師会(日歯)の政治団体、日歯連の献金攻勢も中央・地方で自民、公明、民主の四百十九人の政治家に、総額二十七億円以上(二〇〇〇年―〇二年)にものぼっていました。

●「政治とカネ」をめぐるおもな事件(2001年以降)●

《2001年》

 1月 KSD汚職で1500万円のヤミ献金を受け取っていた額賀福志郎経済財政担当相(自民)が辞任 

 3月 村上正邦元労相(自民)、KSD汚職で7200万円の受託収賄罪で起訴

《2002年》

 2月 元秘書が設立した公共事業専門の口利き会社(業際研)に秘書給与肩代わりで鹿野道彦元農水相(民主)が離党

 3月 辻元清美衆院議員(社民)、政策秘書給与の流用疑惑発覚

 4月 田中真紀子元外相(自民)、秘書給与の流用疑惑発覚

 4月 加藤紘一元幹事長(自民)、秘書の口利き疑惑発覚で辞職

 4月 井上裕参院議長(自民を離脱)、秘書の口利き疑惑で辞職 

 6月 鈴木宗男衆院議員(自民)が斡旋収賄容疑で逮捕

《2003年》

 1月 自民党長崎県連違法献金事件で前県連幹事長ら逮捕

 3月 坂井隆憲衆院議員(自民)、人材派遣会社からの巨額ヤミ献金で政治資金規正法違反で逮捕。秘書給与詐取も発覚

 3月 大島理森農水相(自民)、元秘書の口利き料をめぐる金銭授受疑惑で辞任 

 4月 松浪健四郎衆院議員(保守)が暴力団組員経営の会社から秘書給与肩代わり発覚。辞任

 8月 サラ金業界の政治団体がパーティー券購入などで協力」した自民、公明、民主など84議員のリストを作成していたことが本紙調査で判明

 12月 総選挙で新井正則、近藤浩両衆院議員(ともに自民)を買収容疑で逮捕・起訴。都築譲衆院議員(民主)の公設秘書も起訴。今野東、鎌田さゆり両衆院議員(ともに民主)も、陣営の公選法違反容疑事件で事情聴取 

《2004年》

 2月 自民党の有力支持団体、日歯の政治団体(日歯連)の政治資金規正法違反事件で家宅捜索。のち贈収賄事件に発展。献金は自民、公明、民主など100人以上に 

 3月 佐藤観樹元自治相(民主)が、公設秘書の「名義借り」による秘書給与詐取容疑で逮捕 


共産党 企業献金と無縁

 日本経団連は、財界が気に入った政策を掲げる政党に巨額献金をするという公然たる政治買収に乗り出しています。自民党、民主党を対象にした自分たちの意のままになる「二大政党」づくりです。公明党も事実上の企業・団体献金である広告収入が年間四億円を超しています。

 政党のあるべき姿は、財界や企業のひもつき献金や税金ではなく、国民の募金や党員の党費、機関紙・誌の売り上げで活動費をまかなうことです。日本共産党は、汚職・腐敗の温床となる企業・団体献金を受けとらず、政党助成金の分け取りにも参加していない唯一の政党です。


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