日本共産党

2004年7月2日(金)「しんぶん赤旗」

英国の大主教が首相“しかる”

イラク人拷問・虐待問題

国際法違反で信頼損なう


 英国国教会のウィリアムズ・カンタベリー大主教とホープ・ヨーク大主教は六月三十日、米英軍によるイラク人拷問・虐待を叱責(しっせき)する連名の書簡をブレア首相に送りました。

 書簡は三十日付タイムズ紙に公表されました。拘束したイラク人に対する虐待が「明白な国際法違反」であり、「イラク国民とイスラム世界全般の信頼を損ない」、「深刻な打撃をもたらしている」と述べています。

 さらに「必要な道徳的権威があらゆるレベルで明確に示されないなら、法の尊重と紛争の平和解決を唱える連合軍諸国の信頼性はむしばまれるだろう」と警告しています。

 英国国教会は先週、主教会議を開き、参加した百人以上の主教の意思を代表して両大主教の書簡を作成、送付することを決めていました。

 英首相府報道官は三十日、ブレア首相が書簡を受け取ったことを認めましたが、「いずれ返答するだろう」と述べるにとどまりました。


 英国国教会 ヘンリー八世の離婚問題に端を発し、十六世紀前半にローマ法王の支配を脱して英国王を首長とする教会を設立したのが始まり。ローマ法王の教権と統治に背いた点ではプロテスタント的ですが、教義や典礼はカトリックに近い。英国南東部のカンタベリー教区の大主教が首位聖職者。国王の戴冠式を執行し、国政上も強い影響力を持っています。


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