日本共産党

2004年6月28日(月)「しんぶん赤旗」

BSEと同じ病気

“日本人発症しやすい”

厚労省研究班


 日本人は欧米人に比べてBSE(牛海綿状脳症)の病原(プリオン)と結び付きやすいことが二十七日、厚生労働省のウイルス感染調査研究班の報告書からわかりました。個体識別や生産履歴追跡システムのない米国から全頭検査なしの輸入再開圧力が高まるなか、関係者からは「日本人は発症する可能性がきわめて高い。BSE対策の全頭検査は譲れない」と、懸念する声が上がっています。

 同省の特定疾患遅発性ウイルス感染調査研究班の北本哲之東北大学大学院教授が、世界で発生したBSEと同じ病原(プリオン)によるv(変異型)CJD(ヤコブ病)発症者の遺伝子型を分析した結果、「際立った特長として、v(変異型)CJDでは今のところ検査した八十七症例ですべて」が同一の遺伝子型(MM型)の発症だった事実を突き止めました。

 BSEの病原が体内にはいったとき、発症にかかわる遺伝子型はMM型、MV型、VV型の三つのタイプに大別できることがわかっています。

 報告書によると、発症者と同じ遺伝子型(MM型)をもっているのは、欧州全体では人口の37%程度。イタリアでは45%、オーストリアでは43%、フランスでは36%でした。ところが、このMM型を持つ日本人は93%にものぼっていました。

 この結果について、九州大学大学院の村井弘之医師は、発症例のない日本でも「今後変異型CJDの患者が発生する可能性は十分にありうる」「日本では実にMM型が90%以上である。このことは、日本人の方がv(変異型)CJDに親和性が高い可能性がある」(学術誌『臨床検査』四十六巻十二号)と紹介。遺伝子型について、村井教授は「血液型みたいなものと考えていい。日本人はA型が多いように、MM型は日本人に多いタイプだ」と説明します。


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