日本共産党

2004年6月28日(月)「しんぶん赤旗」

04参院選の現場

NTT労組へ広がる怒り

民主党支持強要、大リストラ協力

衆院宮城で選挙違反


 JR仙台駅から西に伸びる青葉通の一角に「電話横丁」という小さな碑があります。一九〇〇年に電信電話と郵便施設が開設されて以来、一九一九年の火災と仙台空襲以外、日夜分かたず電話業務に携わってきた労働者の記念碑的な場所。そこが、昨秋の衆院選でNTT労組幹部らが民主党への電話作戦をNTT関連会社に金銭委託するという前代未聞の選挙違反事件の舞台となりました。

“ぜひ書いて”

 碑のすぐそばのビルにある関連会社。出入りする女性たちに取材しました。「知りません」と逃げるように退勤する人たちが多いなかで、ある女性と目が合いました。女性は訴えました。「一票でも多く獲得するために彼女たちは一生懸命でした。それを、当選した国会議員や自分の身が危なくなるからといって『金は払えない』とは、あんまりです。このひどさをぜひ書いてください」

 電話作戦を金銭委託したのは、NTT労組東北総支部委員長(連合宮城副会長)と同事務局長、電機連合宮城地方協議会議長(連合宮城会長代行)ら。宮城1、2区の民主党の候補者に投票をよびかける電話作戦をこの関連会社に約百二十万円で請け負わせました。関連会社支店長は、パートの女性三十七人に時間給千―千百円を払う約束で電話かけをさせました。

 事件が発覚し労組役員や支店長が逮捕。パート女性も事情聴取を受け、書類送検されました。関連会社は「払うと罪を認めることになる」と判断し、報酬を支払いませんでした。しかし今度はこの賃金未払いが労働基準法違反に問われます。

 「社内では、口には出さないけど『あの人たちだったら、やりそうなことだ』という雰囲気が満ちあふれています」とNTT東日本宮城支店内の子会社に勤める鎌田光子さん(59)は指摘します。

 昨年暮れ、NTT労組幹部らが逮捕された翌日の朝礼で課長が「新聞に載った以外はわかりませんといってください」と口止めをしました。事件を知らなかった労働者にも話題が広がりました。

 鎌田さんは一九六三年春、現在碑が建っている仙台電報電話局(現在のNTT東日本仙台支店)に電話交換手として入局。それから四十年余。十八人いた同期で職場に残っているのは、ただ一人になったといいます。

 「『定年までがんばろうね』と話していた仲間が希望退職や『十一万人リストラ』で泣く泣く職場を去っていきました。彼女たちは職業柄もあって、選挙になれば全電通・NTT労組の電話作戦に駆り出されました」

 たび重なるNTTの大リストラ。NTT労組は「全組合員が痛みを分かち合う」と主張し、リストラに全面協力してきました。番号案内の「一〇四番」の職場は、正規の交換手をパートやアルバイト交換手に置き換え、関連会社に交換業務を委託しました。鎌田さんらは設備関係など慣れない業務に移されました。

 鎌田さんは「五十歳退職・再雇用」に応じ仙台に残りましたが、拒否した夫の勝憲さん(57)は昨年四月、東京・葛飾区の金町に遠距離配転されました。

 NTTは昨年度の連結決算で、一兆五千六百三億円と過去最高の営業利益を上げました。東西会社を中心にコスト削減をすすめた結果だとリストラを誇示しています。

活動を丸投げ

 NTT労組は大リストラで選挙活動に動員してきた組合員が激減。「得意の電話作戦もままならない」(ある連合労組役員)事態に陥りました。思いついたのが、「電話作戦の外注化」でした。

 仙台地裁は三月、「選挙活動を丸投げする大胆で悪質な犯行」「民主主義の根幹をなす公正を害した結果は極めて重大」と厳しく断罪し、NTT労組幹部らに懲役刑の判決を出しました。

 民主党は、参院宮城選挙区(定数二)で二人を立て、議席独占をねらっています。連合宮城は「棄権をするな」と投票日前の期日前投票にいくよう強要しています。

 電通日本共産党労働者後援会の鎌田さんはいいます。「労働組合の原点を投げ捨て、NTTの大もうけ追求の組織に『変質』していくことがどこに行きつくのか、今回の事件ではっきりしました。職場を去った女性や賃下げと雇用を脅かされている職場の仲間のためにも、自民・公明与党と悪い政治を競い合う民主党が伸びても労働者の願いはかなえられません」


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