2004年6月7日(月)「しんぶん赤旗」
みどり 「北京プラス10」って何と聞かれて、困ったわ。
陽子 一九九五年に北京で開かれた第四回世界女性会議は知ってるでしょう。
みどり 世界の百八十九カ国から、政府代表とNGO(非政府組織)で四万七千人が参加した会議ね。「女性の権利は人権」と宣言して、女性差別や暴力をなくす十二分野の行動綱領を決めたんでしょう。
陽子 来年がその十年目で節目の年。だから「北京プラス10」というの。来年の国連婦人の地位委員会で、この行動綱領と二〇〇〇年に開かれた国連特別総会「女性二〇〇〇年会議」の実施状況を検討・評価するの。そのために、各国政府が報告書を出しているわ。
みどり 男女共同参画社会基本法やDV法の制定、男女雇用機会均等法の改正など、日本でも十年間に法律が変わっているわ。
陽子 でも、大事なのは、日本の女性の地位や男女平等が実際にどれだけ前進したかよ。経済界や政治、意思決定への女性の参加度合いを示すジェンダー・エンパワーメント指数(GEM)は日本が七十カ国中、四十四位で低い方よ。
みどり 昨年、開かれた国連女子差別撤廃委員会では、パートや派遣労働者に女性が多く賃金が低いと指摘されたわ。男女の事実上の機会均等、職業と家庭生活の両立ができる施策を強めるよう勧告している。
陽子 そうそう。
みどり 管理職に女性は少ないし、選択的夫婦別姓も実現しないし…。
陽子 来年に向けて、アジア、太平洋地域は九月に国連アジア太平洋社会経済委員会高官会議(ESCAP)が開かれるのよ。NGOも七月にタイに集まって、十年間の成果と課題について情報交換をするそうよ。
みどり 日本での取り組みは?
陽子 新日本婦人の会などが日本政府の報告に意見書を提出したし、日本婦人団体連合会は連続フォーラムを始めた。多くの女性団体が参加する日本女性監視機構(JAWW)は、統一レポートづくりを進めているわ。
みどり 日本で男女平等の運動を広げることが、ますます大切ね。