日本共産党

2004年6月6日(日)「しんぶん赤旗」

医療事故防止、救済へ

第三者機関設置でシンポ


 医療事故に対する国民の関心が高まるなか、事故防止と被害者救済についてのシンポジウムが五日、東京都内で開かれました。実行委員会が全国すべての病院に呼びかけ、医療従事者、弁護士、被害者ら約五百人が参加しました。

 参加者はそれぞれの立場から熱心に討論。医療事故の調査、被害者救済、再発防止について「現状の警察捜査や裁判では限界がある。むしろ、当事者の要求から乖離(かいり)している」として「第三者機関の設置を求めること」が共通の認識とされました。第三者機関のあり方については、さまざまな見解が示されました。

 呼びかけ人の一人で全日本民主医療機関連合会(民医連)の肥田会長は、第三者機関として「被害者と医療機関双方が相談できる窓口、被害者救済制度、裁判外の紛争処理、事故調査を公開し再発防止」の機能を提案しました。

 「医療情報の公開・開示を求める市民の会」の勝村久司事務局長は「カルテ改ざんや偽証などの医療犯罪と医療事故が混同されている。事故を起こした医療者が情報公開して謝罪し、再発防止に努力しているのに、悪く報道されることがある。これでは事故防止にならない」と語りました。

 被害者側の立場で三十年来、弁護活動をしてきた加藤良夫南山大学教授は民事裁判の限界として「被害者の費用負担が大きい。判決が真相究明や謝罪とほど遠い」として、「防止と救済を一体とした、市民参加の医療被害防止・救済センター構想」を提唱しました。

 医療事故調査会代表世話人の森功・医真会理事長は、医療紛争の解決方法として警察や裁判によらない諸外国のさまざまな処理方式を紹介。


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