日本共産党

2004年6月5日(土)「しんぶん赤旗」

学費値上げ反対大学予算増額へ

たたかいの発展を

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「受益者負担」論の誤り

 政府は、高学費政策を推進し正当化するため、一九七一年の中教審答申以来、「受益者負担」論を掲げてきました。「大学教育で利益を得るのは学生だから、費用も学生が負担せよ」という主張です。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が今年五月十七日に発表した「平成十七年度(二〇〇五年度)予算編成の基本的考え方について」も「受益者負担の徹底」を打ち出しています。こうした主張は、大学教育が学生本人にとってだけでなく、社会全体に寄与するものであることを見ない、誤った議論です。

 高等教育を受ける機会をすべての人々に保障する課題を、人権や社会全体の利益という見地から位置づけ、その文字通りの実現へ政治が責任を果たす―これが世界の流れです。国際人権規約(国連総会が一九六六年採択)が、「高等教育の漸進的な無償化」を定めているのも、この立場からです。

 ところが日本政府は、世界の流れに背をむけ、国際人権規約における「高等教育の漸進的無償化」を定めた条項の批准を拒否したままです。

 日本共産党は、学費値上げに反対し、学生・父母の負担を軽減するため、以下の実現へ全力をつくします。

 (1)国公立大法人化を契機にした予算の一律削減を中止し、学費値上げを抑える。

 (2)無利子奨学金枠や学費免除枠を拡大する。

 (3)私大生への学費助成や私大の学費減免への特別助成制度をつくる。

 (4)高等教育予算の大幅増額、私大経常費二分の一の国庫補助をめざす。

値上げ反対の声大きく

 「学費値上げ反対」をもとめ、学生が声をあげ始めています。この一、二年、各地の学生自治会が、学生大会・投票を成功させていますが、カリキュラム・施設改善などとともに、「学費値上げ反対」が要求の柱の一つとなっています。全学連も、三月の大会で、「学費値上げ反対・大学予算増額」をもとめる署名運動をよびかけました。

 大学人からも学費値上げを憂慮する声があがっています。

 学費値上げをストップするたたかいは、学生・父母の負担軽減という切実な要求実現にとってだけでなく、二十一世紀に、憲法や教育基本法が定める「教育の機会均等」という民主主義的な理念を文字通り実現するたたかいとしても、重要な意義をもちます。

 日本共産党は、学生の切実な声にこたえ、「学費値上げ反対・大学予算増額」をもとめるたたかいを大きく発展させることをめざし、全力をつくすものです。

 (日本共産党青年・学生委員会)

 (おわり)


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