2004年5月31日(月)「しんぶん赤旗」
会社員の友人 年金制度って複雑すぎるんじゃないの。一つにまとめられない? 私たち会社員は会社と折半できっちり厚生年金の保険料を取られるし、会社を辞めたら国民年金に入らなければいけないでしょう。仕事が変われば年金も変わるでしょ。
ハナコ 国民皆年金というけど、自営業者や学生、フリーターなどは国民年金、会社員は厚生年金、公務員は共済年金――。受け取る年金額も違いがあるわね。
私たちも年金制度間の格差をなくして公平な制度をめざすのは大事だと思うわ。けれど自民党や公明党、民主党がいってる年金「一元化」は、いまの制度の枠組みをそのままに保険料や年金額だけをそろえるやり方なの。
友人 するとどうなるの?
ハナコ 国民年金を厚生年金に合わせれば、自営業者などは事業主負担分を自分で払わなければいけないから、保険料は数倍に上がって負担が重すぎて払えない。逆に厚生年金を国民年金に合わせると事業主負担がなくなって大企業は大喜びだけど、受け取る年金の水準はぐんと下がる。どっちをとっても年金制度を“貧しく”する方向での一元化なの。
経済同友会という財界団体は消費税を財源にした「一元化」で大企業負担を減らしたいんだって。
友人 そうなんだ。日本共産党はどう考えてるの。
ハナコ 日本共産党が提案してるのが、だれでも最低月五万円はもらえるようにする最低保障年金制度なの。そのうえに掛け金に応じて上積みがある。全体を底上げすることで加入する制度ごとの格差を小さくすることができるでしょ。これが一番現実的だと思うわ。消費税増税には反対。財源には税金のムダ遣いを削り、下げた大企業の法人税率を元に戻すことなどを考えているのよ。