日本共産党

2004年5月30日(日)「しんぶん赤旗」

04参院選の現場

街で年金が熱い

ムダ遣いして何が百年安心

埼玉 社会保険事務所前


 「私の年金どうなるの?」――。給付は三割カット、保険料は天井知らずの年金大改悪法案を、自民・公明与党が六月四日にも参院本会議で採決、成立させようとしています。そんななか、年金の申請や相談のために順番待ちする人が早朝から列をなす埼玉県内のある社会保険事務所近くの街角で、法案にたいする賛否や、年金問題を七月の参院選挙の判断材料にするかを聞きました。

 「年金改革法案? 絶対反対だよ」。午前六時に一番乗りし、事務所が開くのを待っていたという川越市の尾崎睦夫さん(60)=運送会社社員=。嘱託で働きながら年金を受ける手続きに来ました。

 法案については、「よくなっていく感じはまったくないじゃない。こっちがコツコツ納めた保険料をグリーンピアとかムダなものに使って、そのくせ年金額を減らすなんておかしいよ。腹が立つよね」と怒ります。

政党選択の材料に

 同事務所を訪れた五十人に年金改悪法案を今国会で成立させていいか「シール投票」で尋ねると、四十五人が「NO」と意思表示。「YES」は三人。「どちらともいえない」が二人でした。ほとんどの人が、参院選挙で政党選択の際に年金問題を考慮すると答えました。

 与党がさかんに宣伝していた、“給付は現役世代の五割を確保”“保険料は上限を固定”の二枚看板が、国会審議などではがれたことも、かなりの人が知っていました。

 早朝から待っていた小川町の米山春由さん(65)は、「何が『百年安心』ですか」とプンプン。参院選挙は「自民党以外の党。でも民主党もわけのわからんこといってる。年金問題で各党が何をいっているのか、しっかり聞いて投票します」といいます。

 昼前に事務所から出てきた坂戸市の主婦(60)は「今日の受け付けはもう終わったらしいです。出直さないと…」と。法案には「絶対反対」といって「NO」にシールをはりました。「私『百年安心だから』って頼まれて去年の総選挙は公明党に投票したの。冗談じゃないわ」と怒ります。日本共産党の年金政策を説明すると、「実は共産党にも知り合いがいて、頼まれることもあるんです。今度はおたくにしようかと思っています」。にっこりほほ笑みました。

ボーイフレンドと

 午前九時半にボーイフレンドといっしょに年金の変更手続きにやってきた女性会社員(28)は、「順番待ちで午後二時以降になるって、ムカツク」。法案については、「私たちの世代にどうなるかさっぱりわからない」と、賛成も反対も“投票する気がおこらない”という雰囲気でした。

 でも「なぜ手続きにきたの? 若い人は払ってない人も多いのに」と問うと、「やっぱり民間の個人年金よりは(公的年金が)いいと思うし、やっぱり国庫から三分の一が出てるわけだし」と結構詳しい様子。

 選挙の政党選択には「もちろん年金のことを考えます」。日本共産党の政策を説明すると…。「ムダな公共事業など歳出の見直しで、国庫負担をただちに二分の一に引き上げる」というところで、ひときわ大きくうなずき「そうですよ」。最後には「反対」に、シールをはっていきました。

 「結婚後十年以上、年金の手続きをしていなかったんですよ」。富士見市の主婦(38)は困った表情で、「今の年金は二十五年払わないともらえないでしょ。払えないフリーターもたくさんいるんだから、だれもが最低の年金はもらえるような制度にしてほしい」。日本共産党が最低保障年金制度を提案しているというと、大きくうなずきました。


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