日本共産党

2004年5月23日(日)「しんぶん赤旗」

ここが知りたい 参院選特集

イラク問題

世界の平和の流れに合致しているのは


 深刻なゆきづまりに直面している米英両国のイラク占領支配。これにどのような態度をとるのかが、世界の平和をめぐる最大の問題として問われています。世界の平和の流れと合致しているのはどの党か――。公示(六月二十四日)まであと一カ月に迫った参院選でも大きな争点です。


破たんに直面 米英占領

図

 テロに使われる危険のある大量破壊兵器を除去する、イラク国民をフセイン政権の圧政から「解放」する――。米英両国はこういって、国連憲章も国際社会の圧倒的多数の反対の声も無視してイラクへの侵略戦争を始め、軍事占領をつづけてきました。小泉・自公政権も米英の言い分をおうむ返しに繰り返し、支持を表明しています。しかし、その“大義”は完全に崩れ去っています。

 大量破壊兵器はついに発見されず、無法な軍事占領はイラク国民の抵抗を呼びおこすとともに、テロの温床をつくりだし、イラクを「テロリストの理想の戦場」(国連報告書)に変えただけでした。治安情勢が劇的に悪化するなか、占領軍は事実上、すべてのイラク国民に銃を向けた「第二のイラク戦争」に足を踏み入れています。

 イラク中部ファルージャで女性や子どもを含む七百人以上もの住民を虐殺したとされる無差別攻撃、フセイン政権と敵対していたイスラム教シーア派のサドル師勢力の弾圧、アブグレイブ収容所などでの虐待・拷問の数々、結婚式への空爆…。イラク戦争が始まった昨年三月以降、イラク人の死者は一万人を大きく超えています。占領軍の撤退を求めるイラク国民の声は高まるばかりです。

 開戦以降の米兵死者の総数も七百九十七人。占領軍全体では九百人を超えています。(二十二日現在)

 米国は「主権移譲」後も米軍の駐留継続に固執し、立法権や軍事指揮権を握って、長期にイラクを支配する構えです。すでにイラク国内外に百数十カ所の軍事基地も設けています。

 占領支配は、憎悪と報復の連鎖を生み、外国人誘拐や統治評議会議長の暗殺など事態は泥沼化する一方です。“大義”なき占領への加担を拒否し、「有志連合」国も次々、イラクから撤退(図)。占領支配の速やかな終結とイラクの主権回復、国連中心の復興を求める声が、国際社会の大勢になっています。

 有志連合 ブッシュ米政権が名付けたもので、イラク戦争と占領に協力する国々の総称。既存の同盟関係にとらわれず、米国のイラク政策への忠誠度を基準にしています。米国は現在、イラクに軍隊を派遣していない国も含め、計四十九カ国としています。

自衛隊の撤退は急務

グラフ

 イラク占領支配の一翼を担うため陸上自衛隊が派兵されているイラク南部サマワも、治安が急激に悪化しています。陸自部隊の宿営地を狙った砲撃が相次ぎ、同じくサマワに展開するオランダ軍では初の死者も出しました。

 しかも、「サマワは非戦闘地域」との日本政府の理屈も成り立たなくなっています。

 イラク特措法(イラク派兵法)は自衛隊の活動を「非戦闘地域」に限定しています。「戦闘地域」での活動は、政府の解釈でも、憲法が禁じる武力の行使につながるからです。

 しかし、これまで政府は「戦闘行為」を「国または国に準ずる者による組織的、計画的なもの」ときわめてせまく解釈。「サマワは非戦闘地域」と繰り返してきました。

 ところが、内閣法制局は最近、サマワ近郊でオランダ軍と交戦したサドル師勢力を「国に準ずる者」と解釈し、官房長官に伝えたと報じられています。

 そうなっては大変と、石破茂防衛庁長官は法制局見解を否定。占領軍とサドル師勢力の衝突も「戦闘行為」ではないと言い張っています。

 憲法を踏みにじり、イラク特措法にも反し、いつ「殺し、殺される」事態に直面するか分からない――。自衛隊の撤退は急務です。

NGOと比べて効率悪い自衛隊


費 用給水対象給水能力
自 衛 隊約404億円
(1年間)
1万6000人
(1人1日5リットル)
1日あたり
80トン
ACTED約3900万円
(6カ月)
6万人
(同約10リットル)

600〜700トン

 軍隊は人道支援を専門に行う非政府組織(NGO)と比べて極めて効率が悪いことは専門家が繰り返し指摘しています。

 フランスのNGO、アクテッド(ACTED)が、サマワをふくむムサンナ州で今月四日から、日本外務省の無償資金協力による給水活動を開始しました。ACTEDは自衛隊の費用の数百分の一で八倍もの給水が可能です(表)。作業は現地スタッフを採用して行うため、雇用効果もあります。




日本共産党
アメリカいいなりやめて
自主独立の国づくり応援へ
自民 公明
ブッシュに敬意
派兵に固執
 
民主
撤退は要求せず
国連決議で「派遣も」
写真
全国で配布中のパンフ『こんにちは日本共産党です』の2−3ページから

 日本共産党は、米英の無法なイラク侵略戦争に反対。不法な軍事占領をやめ、国連中心の復興の枠組みに移すよう一貫して主張してきました。

 今年一―二月のイラク派兵承認をめぐる国会論戦では、(1)自衛隊は占領軍の一員(2)政府のイラク調査団報告は事前に作成され、「サマワは安全」の情報操作があった――などの点を追及。民主党の論戦と比較し、「『唯一野党』共産が攻勢」(「産経」)、「イラク派兵審議 共産リード役に」(「毎日」)など、マスコミが注目しました。

 パンフ『こんにちは日本共産党です』(写真)では、こうした日本共産党の立場を簡潔に説明。「外交・軍事のゆがみ」として「世界でもきわだつアメリカいいなり」を批判し、「イラクでのアメリカの戦争と占領体制をやめさせ、国連を中心にしたイラク国民の自主独立の国づくりを応援します」とのべています。

 「内政と外交・軍事の“2つのゆがみ”に、正面からメスをいれる『改革』を主張している政党は、日本共産党だけです」と紹介しています。

小泉・自公政権

 イラク戦争でも、アメリカいいなりが世界できわだっているのが、小泉・自公政権です。

 小泉純一郎首相は、イラク人への拷問・虐待事件で窮地に立つブッシュ米大統領に「困難な状況の中、強い指導力を発揮していることに敬意を表する」(十七日の日米首脳電話会談)と手放しの賛辞まで送りました。

 占領軍に参加していた「有志連合」の国からもイラク撤退が相次いでいるのに、自衛隊派兵の継続にあくまで固執。五月の連休中に訪米した安倍晋三、冬柴鉄三の自公両党幹事長は、米側から「スペインが撤退を表明した際にも、日本政府はぶれなかった」(ファイス米国防次官)と“感謝”されました。今回のイラク派兵を試金石として、自衛隊派兵の恒久法制定まで狙っています。

 公明党は「平和の党」の看板が完全にはがれ落ちました。神崎武法代表は昨年十二月にイラクを訪問し、陸上自衛隊派兵の地ならし役を買ってでるなど、イラク派兵を先頭にたって推進。

 拷問・虐待事件など都合の悪い問題にはだんまり。サマワが不穏になると、「自衛隊はオランダ軍の警備もできる」とまで言い出しています。

民主党

 民主党はイラク戦争には反対したものの、派兵そのものに反対しているわけではありません。

 四月末に訪米した菅直人代表(当時)は、アナン国連事務総長に、新たな国連安保理決議のもと多国籍軍が形成された場合、「イラク政府による要請があれば、自衛隊の派遣についても検討可能」(民主党欧米訪問団報告書)と表明しました。

 また陸自派兵後、自衛隊撤兵を要求しなくなりました。イラク攻撃一周年の党談話でも、撤退には一言もふれず、「国会承認されて派遣された以上、自衛隊員全員が無事、帰国されることを願っている」とするだけ。派兵された自衛隊員の任務完遂を願う「黄色いリボン運動」をすすめる「国会議員の会」には多くの議員が参加しています。




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