日本共産党

2004年5月20日(木)「しんぶん赤旗」

給与肩代わり

日本道路興運 政界と深い関係

自民に3年で1200万円献金


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新宿国際ビル新館の日本道路興運(株)が入る3階フロア−=東京・新宿区

 細田博之官房長官の運転手給与を肩代わりしていた「日本道路興運」(東京都新宿区)は、日本道路公団の業務を受注する一方、自民党や同党議員に献金するなど政界とも深い関係を持っています。

 同社は、日本道路公団に車両の運転手を派遣していたほか、有料道路の料金収受業務を請け負うなど道路公団に深く食い込んでいました。

 とくに運転手派遣業務では、道路公団が支出している運転手の委託費約五十五億円のうち、約十九億円分を受注。べつのファミリー企業と二社でほぼ独占してきました。

 同社には道路公団OB六人が天下りしていました。一九九八年には道路公団理事の接待汚職にからみ、東京地検特捜部の家宅捜索を受けるなど、道路公団をめぐる闇の部分とのかかわりが注目されていました。

 政治家との親密な関係も有名です。

 昨年四月の関連会社等報告書によると、自民党の市川一朗参院議員(宮城県選挙区)が同社顧問に就任していました。

 また、自民党の政治資金団体・国民政治協会に二〇〇二年までの三年間にわたり、毎年四百万円計千二百万円を献金しています。

 また、細田官房長官には二〇〇〇年、〇二年に社長名義などで計三百万円を献金。秘書給与の肩代わりをしていた自民党の塩谷立衆院議員が代表を務める自民党支部などにも〇二年までの三年間に社長名義などで計六百万円を献金していました。

 このほか同社は、旧建設省OBで自民党の岩井国臣参院議員が代表の自民党支部に〇二年までの三年間で計九十万円を献金するなど自民党建設族議員を中心に親密な関係をつくっていたといいます。

離党や落選刑事事件に

 国会議員の秘書給与を後援企業などが肩代わりするケースは、これまでたびたび発覚してきました。

 中には離党や落選につながったり、刑事事件に発展したりした例もあります。

 民主党の鹿野道彦衆院議員は、贈収賄事件で逮捕された元秘書の会社から肩代わりを受けていたことが発覚。○二年二月に同党を離党しましたが、昨年九月に復党しました。

 松浪健四郎衆院議員(当時、保守党)は昨年四月、元暴力団組員が経営する会社から秘書給与の肩代わりを受けたことが判明。昨年十一月の衆院選で落選しました。


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