日本共産党

2004年5月16日(日)「しんぶん赤旗」

チェコ・モラビア共産党が大会

綱領的文書の採択へ


 【チェスケ・ブデヨビツェ(チェコ)=片岡正明】チェコ・モラビア共産党の第六回大会が十五日、プラハから約百五十キロ南のチェスケ・ブデヨビツェで、約三百人の代議員が参加して開幕しました。冒頭にグレベニーチェク議長が中央委員会の報告をおこない、大会はこれを受けて討議に入りました。

 チェコ・モラビア共産党は米国のイラク侵略戦争とチェコ軍のイラク派遣に反対。また、チェコの経済力が整わない段階で、欧州連合(EU)に急いで加盟することに反対してきました。

 二〇〇二年の下院議会選挙では得票率18・51%を得て、定数二百議席にたいして四十一議席を獲得しました。党員数は約十万です。

 今回の大会は一九九九年の前回大会以降の党活動の総括と綱領的文書「チェコ共和国のための希望」、新規約の採択、党議長の選出などを予定。綱領的文書では、「大国によるチェコ共和国軍隊の悪用に反対」と強調し、イラク派兵拒否を表明しています。さらに、ヨーロッパの軍事化を拒否し、北大西洋条約機構(NATO)の解体などを要求しています。

 国内問題では10・9%という高い失業率への抜本的対策や公営部門のこれ以上の民営化反対、住宅問題の改善、食料自給が可能な農業の発展などが盛り込まれています。

 また、チェコのEU加盟直後におこなわれる今大会は、六月の欧州議会選挙への準備をも課題としています。

 大会には約四十の外国からの代表団が参加。日本共産党から西口光常任幹部会委員・国際局長と伊藤知代国際局員が参加しています。西口氏は同大会への日本共産党中央委員会のメッセージをチェコ・モラビア共産党に手渡しました。

日本共産党がメッセージ

 日本共産党中央委員会がチェコ・モラビア共産党第六回大会に送ったメッセージは以下の通りです。

 友人のみなさん

 チェコ・モラビア共産党第六回大会にあたり、日本共産党は心から連帯のあいさつをおくります。大会が、チェコ国民の生活と権利をまもり民主主義を発展させ、平和のための運動を前進させるうえで、重要な成果をあげるよう希望します。

 あなたがたの党は、一九八九年の旧体制崩壊後の複雑な状況のもとで、かつてのソ連からの干渉とそれへの対応の問題点を明らかにしつつ、粘り強く国民の支持と理解を訴えてきました。また、長期的目標として社会主義を展望しながら、国民の利益を優先した経済発展をはかり、平和な国づくりをすすめるための政策を積極的に提案してきました。そうした活動に遠い日本から注目してきた私たちは、あなたがたの党が二〇〇二年の下院選挙で大きく躍進したことを喜び、力強い励ましを受けました。あなたがたの活動がさらに大きな成功をおさめるよう期待します。

 あなたがたも批判したアメリカのイラク侵略戦争と、それにつづく不当な占領統治は、イラク国民の独立・民主主義を求める願いとますます対立しています。私たちは、アメリカが先制攻撃戦略によって横暴をほしいままにする国際秩序を拒否し、国連憲章にもとづく平和の国際秩序を確立するために、全力でたたかっています。

 私たちは、あなたがたの党の代表も出席した今年一月の第二十三回大会で、綱領を改定しました。新しい綱領は、日本の社会を社会主義・共産主義の未来社会に発展させていく道筋を示すとともに、いま私たちが資本主義の日本で直面している課題は民主主義革命であることを明らかにしています。この革命は、大企業・財界応援ではなく国民生活の擁護を国の政策の中心にすえること、対米追随をやめて本当の独立国になることを主な内容としています。とくに外交分野では、日米安保条約を廃棄し、平和・中立・非同盟の道をすすむことを提唱しています。現在わが党は、七月の参議院選挙での前進をめざし、党建設や有権者との対話・支持拡大などに力をつくしているところです。

 私たちは、日本共産党とチェコ・モラビア共産党との関係が順調に発展していることを喜んでいます。今後も、社会主義をめざす展望や世界平和の問題でお互いの理解を深め、アメリカの覇権主義批判、自国軍隊のイラク派兵反対、軍事同盟の解消、国連憲章の尊重など、共通の課題で協力を強めていくことを希望します。

 日本共産党中央委員会

 二○○四年五月十五日


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