日本共産党

2004年5月14日(金)「しんぶん赤旗」

“100年安心年金”大ウソだった

政府案 給付5割確保 負担に歯止め

「二枚看板」はがれる


 「百年安心」の年金プラン。小泉自民・公明政権が年金改悪法案で大宣伝してきた根拠が大きく崩れています。“給付は50%以上を確保”“年金保険料負担に歯止め”――この二枚看板が、実はまったくのごまかしだったことを政府も認めたからです。


 大々的に宣伝してきたのが参院選向けの『公明グラフ』臨時増刊号です。

 「『給付50%以上』を法律に明記」と強調しています。

 しかし、これは国民のなかでは一握りのモデル世帯(夫がサラリーマンで四十年厚生年金に加入、妻が専業主婦)のみ。そのモデル世帯も「給付50%」が確保されるのは年金受給から短期間に限ってのこと。名目賃金の上昇にともなって比率は下がり、やがて50%割れになるのです。十二日の参院本会議で日本共産党・小池晃議員が追及して、坂口力厚労相も認めました。

 「保険料負担に明確な歯止め」というのもごまかしです。

 いま月額一万三千三百円の国民年金保険料は、来年四月から十三年連続で引き上げられ、二〇一七年度には一万六千九百円になり、これ以降は固定されるというのが、小泉政権の説明でした。

 ところが、これは賃金上昇がないとした場合のことです。名目賃金が上がれば保険料も上がるのに、政府はそのデータをふせていました。

 法案が前提にしている賃金上昇率(二〇〇九年度以降、毎年2・1%)で計算すると、二〇一七年度は月額二万八百六十円、二七年度には二万五千六百八十円にもなるのです。

 これが「百年安心年金」の正体です。「安心」の二枚看板がはがれた以上、法案はきっぱり廃案にすべきです。

写真

政府・与党の発言、パンフから

小泉首相

 「今回の年金改正法案では、保険料の引き上げは段階的に行うとともに、現役世代の負担の増大が過大なものとならないよう、その上限を設けることとしており、また給付水準についても、現役世代の平均的収入との対比で50%を維持することを明確にしているところであります」(4月1日、衆院本会議)

自民党・公明党発行のパンフレット「『暮らせる年金』です」から

 「保険料引き上げのゴールを明らかにします。保険料は…国民年金で1万6900円(2004年度水準の価格)以上には引き上げません」「モデル世帯の受け取る厚生年金は、現役世代の給料の50%以上を確保します


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