日本共産党

2004年5月10日(月)「しんぶん赤旗」

年金「改革」

三党合意は国民への背信

NHK「日曜討論」

穀田国対委員長が強調


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 日本共産党の穀田恵二国対委員長は九日放映のNHK「日曜討論」に出演し、年金法案をめぐる自民、民主、公明の「三党合意」や国会議員の年金保険料未納問題などで各党の国対委員長と議論しました。

 未納問題で福田康夫官房長官が辞任したことについて、穀田氏は「政府案を取りまとめた責任者として辞任は当然だ」と指摘。「負担増、給付減という問題だらけの法案の審議を、辞任で幕引きというわけにはいかない」と強調しました。

 国会議員の保険料納付状況の公表について穀田氏は、「三党合意」がなんらふれていないことを批判。日本共産党が六日に全国会議員の調査結果を発表したことにふれ、吉井英勝衆院議員が未納だったことをおわびしました。そのうえで、納付状況については、議員個人が調べて党がまとめて発表すればすむと指摘。五年さかのぼって納付できるようにするという議論には「国会議員と国民一般は分けて考えるべきで、国民にまで五年さかのぼって強制徴収をやるのは問題だ」と批判し、すでに三月に日本共産党が提案した特権的な議員年金の見直しこそが必要だとのべました。

消費税増税に道開く内容

 「三党合意」については「中身もやり方も国民への背信行為だ」、「三党だけで決めたものを国会に押しつけてはならない」と指摘。政府案の負担増、給付減を正していないうえに、「社会保障制度全般について、税・保険料の見直し」と明記して、消費税増税に道を開くことを約束していると批判しました。さらに野党三党は公聴会の開催と審議継続で合意していたのに、「三党合意」で十一日に衆院の本会議通過を約束し、強行採決を事実上是認するようなやり方はまちがいだと強調しました。

6割以上が政府案評価せず

 年金法案の審議をめぐって穀田氏は、“野党が審議拒否した”という与党側に対し、「日本共産党は審議拒否はしていない」と反論。政府案について直近の朝日新聞の世論調査で「六割以上が評価しない」ことを示し、短時間の審議でも重大な問題があるとして、「国民に負担を負わせ、いっそう年金の空洞化をひどくし、給付の15%減で生存権すら危うくするという事態が明らかになった」と指摘しました。

 公聴会は必要ないという与党の主張にたいしては、「八六年の大改悪からは(五年ごとの見直しで)毎回公聴会をやっている」とのべ、「いまようやく国民が関心をもって注目しだしたところだ。国民はもっときちんとした審議をしてほしいといっている。道路公団民営化では、四十五年で借金を返す法案を五十時間以上審議している。与党の『百年安心』という法案なら、百時間以上かけて審議するのは当然だ」と主張しました。

 今後の審議については「問題点をしっかり議論することが前提であり、『三党合意』を国会に押しつけてはだめだ」と重ねて強調しました。


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