日本共産党

2004年4月30日(金)「しんぶん赤旗」

道路公団民営化法案の問題点

大沢議員の質問から


 「九千三百四十二キロの高速道路建設計画を前提とし、新たな税金投入の仕組みを造るもの。政官財の癒着も温存するなど、何ら問題が解決しない」。二十八日の参院本会議で日本共産党の大沢たつみ議員は道路公団民営化法案の問題点を明らかにしました。


路線計画はすべて建設

 政府は、九千三百四十二キロの高速道路整備計画の残り二千キロをすべて造り続ける上に、全国総合開発計画の一万四千キロの計画路線も建設を進めようとしています。新会社が造らない路線も国と地方の税金による新直轄方式で造る仕組みです。

 大沢氏は、小泉純一郎首相は「民営化すればムダな道路は造らない」といっていたがまったく逆だと批判し、「高速道路計画を根本から見直すべきだ」と強調しました。

 道路建設の根拠として走行時間短縮などプラス要因だけを判断材料としていると批判し、自然破壊や大気汚染などマイナス要因を考慮すべきだとのべました。

 小泉首相は「五区間百四十三キロを抜本的見直し区間とした」とのべるだけで、一万四千キロも「整備は今後の検討課題」とのべ、ムダな高速道路を造りつづける姿勢が浮き彫りになりました。

40兆円の債務返済根拠なし

 法案は四十五年で債務四十兆円を返済するとしていますが、金利4%の維持が前提です。

 大沢氏は「4%の金利が維持される保障はどこにあるのか。建設を続ければ債務が膨らんで返済が困難となり、新たな国民負担となる」と追及。小泉首相は「長期的な視野から合理的な将来金利の水準を設定した」とのべましたが、具体的な根拠を示せませんでした。

 大沢氏は、「四公団あわせて年間二・五兆円の通行料収入があり、新たな建設さえしなければ債務返済に回す財源を確保できる」と指摘。新規建設を凍結して四十兆円の債務返済を最優先し、組織の徹底したスリム化、国民の管理・監視のもとに返済を進め、返済後は道路料金を無料化するよう主張しました。

政官財の癒着構造を温存

 大沢氏は政官財の癒着について、公団に適用されてきた入札契約適正化法、官製談合防止法や情報公開法が民営会社には不適用になることを指摘し、「談合の横行を野放しにし、癒着構造を温存する」とただしました。

 小泉首相は天下りについて「民営化後は会社間の人事交流がありうる」と容認。入札の透明性についても「厳格な事業評価」をいうだけで透明性が後退する事実を否定できませんでした。


 新直轄方式 料金収入に代わって、税金を使って高速道路を建設する新しい建設方法。民営化後も不採算路線の建設ができるよう二〇〇三年に導入。財源はガソリン税など「道路特定財源」で国と地方が三対一の割合で負担。当面、三兆円分の投入が決まっています。


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