日本共産党

2004年4月22日(木)「しんぶん赤旗」

ニカラグア干渉戦争に関与

駐イラク米大使に指名

“出撃拠点”で大使/人権侵害で告発も

ネグロポンテ氏


 ブッシュ米大統領が十九日に主権移譲後の駐イラク米大使として指名したネグロポンテ現国連大使は、駐ホンジュラス大使だった一九八〇年代に、隣国ニカラグアへの軍事干渉に深く関与した人物です。ブッシュ政権が二〇〇一年に国連大使に指名したさいも、国連で米国を代表する人物として適格かどうかが問われ、上院の指名承認まで半年もかかりました。

ホンジュラス全土が米基地

 ネグロポンテ氏は八一―八五年に中米ホンジュラス駐在大使を務めました。南隣のニカラグアでは七九年、サンディニスタ民族解放戦線の政権が誕生しました。八一年に発足したレーガン米政権は、サンディニスタに反対する反政府武装勢力(コントラ)を育成。サンディニスタ政権打倒の武装闘争を展開させました。

 この干渉戦争の出撃拠点とされたのが、ネグロポンテ氏が大使に就任したホンジュラスでした。同国は全土が米軍基地化され、「米軍艦ホンジュラス」の異名も生まれました。

 八一年に三百九十万ドルだった米国の対ホンジュラス軍事援助は、八四年には七千七百四十万ドルへと、二十倍に膨れ上がりました。米国が訓練した三一六歩兵大隊は、誘拐や暗殺など広範な人権侵害を引き起こしました。八二年には、中米諸国の軍隊を米軍が軍事訓練するセンターまでホンジュラスに設けられました。

メキシコでは政府から抗議

 同氏は八九年には駐メキシコ大使に指名されましたが、メキシコ政府はこれに抗議しました。ホンジュラス人権委員会は九四年、八〇年代の人権侵害に関しネグロポンテ氏を告発しました。

 この後、米議会が中米干渉のための予算を削減しようとすると、米政府は、コントラへの軍事援助資金を生み出すためにイランに武器を援助する「イラン・コントラ事件」を引き起こしました。この事件は八六年に判明。ネグロポンテ氏は同事件にも関与しました。

 坂口明記者


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