2004年4月13日(火)「しんぶん赤旗」
フジテレビが昨年の総選挙前に放送した番組で、兵本達吉元参院議員秘書の除名理由をあたかも拉致問題であるかのように事実をねじまげ、名誉を棄損したとして日本共産党が訂正・謝罪放送と損害賠償を求めている訴訟の第三回口頭弁論が十二日、東京地裁民事六部で開かれました。
日本共産党は、フジテレビが第二回口頭弁論で出してきた「完全再現! 北朝鮮拉致“25年目の真実”」の番組をおこした反訳(はんやく)が、番組全体を余すところなく反訳してないとして、早急に訂正、補正し、提出するよう求め、裁判所に提出済みの準備書面を陳述しました。
準備書面では、とりわけ重大なこととして、この番組の性格が「虚構」ではなく、事実に基づいたものだという立場に被告が立っていることを冒頭にテロップで示しているにもかかわらず、これをいっさい反訳していないと指摘。「放送事業者として真実を放送したドラマであるということについての自覚が全くなく、責任を感じていないことを表している」と主張しました。
さらに、兵本氏にかかわる部分については、故意に反訳しなかったとさえいえる部分がある、と強調。本件裁判は、兵本氏の規律違反にかかわる原告の調査および除名の問題が拉致問題と関係があるとした被告の番組の真実性が争われているとして「この調査および除名の場面にかかわる肝心の本件音声が反訳されなかったというところにも、故意・悪意が表れている」と主張しています。
フジテレビ側は日本共産党側の指摘を受け番組の反訳を出し直すとともに、被告側の第一準備書面を提出しました。