日本共産党

2004年4月5日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPress

新入社員のプライドずたずた研修

これが僕の生きる道???


 さぁーガンバルゾ! そんな、やる気に満ちた新入社員のプライドが、ずたずたにひきさかれたらどうする? これが、ぼくの生きる道なんだろうか、と悩んでしまうにちがいない。北陸地方に、この春就職した小宮山龍也さん(23)=仮名=の“ビックリ研修”を紹介しよう。


マンガ

やっと採用されたのに

 量販店に就職が決まり、三月中旬から働き始めた小宮山さん。目に飛び込む立山連峰の頂は雪できらめき、空気はおいしいのに、「孤独です」。“ときめきの春”という表情には、程遠いものがあります。

 東京の大学を卒業して地方都市に赴任しました。在学中から担当教授は「負け組にはなるな」と叱咤(しった)。面接だけでも五十社以上、履歴書を出して挑戦した会社は、百数十社にも達しました。

 「東京で就職したかった。でもだめでした。学んだ経営マネジメントを生かせるものを探したがどれもだめでした。就職できればなんでも、どこでもいい。最後はそんな気持ちでしたね」

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 超が三つもつく「氷河期」の就職戦線を突破。採用決定の通知を受けて「都落ち」を決意し、ホっとしたのもつかの間の新入社員研修でした。

ヘトヘト2万5千歩

 接客から商品補充、店内を走りまくる毎日。万歩計をつけて計ると、1日2万5千歩にもなりました。支給されたものは店のユニホームのジャンパーだけ。「自分に投資しろ」といわれ業務になくてはならないボールペン、手帳、軍手、カッターなど自費で買わされます。研修費用も自分もち。

おじぎ17時間半

 15度頭下げて「いらっしゃいませ」。45度頭下げる「ありがとうございました」の接客マナーの練習は、17時間半やらされました。みんなの前で一人ずつやらされます。「終わったら船酔いを起こしたように気分が悪くなりフラフラ。終わってから病院に行った」「別の会社で、友人はもっと悲惨な研修を受け逃げだしました」


マンガ

8人道連れ徹夜

 参加した新入社員は70人。1部屋8人の相部屋です。「最後にテストと提出した論文などで夏の査定に3万円から5万円の差は出る。みんなライバルだ」といわれ、徹夜で復習。賃金は年齢給ではなく、成果主義賃金。定期昇給がなく、降給もさせられます。


すし詰め風呂3分

マンガ

 1回7人しか入れないふろは、30分以内に70人が全員入り終えなければなりません。1人3分です。「裸で立って順番を待つ状態でした。刑務所のようでしたね」。最終日には「いやなら今やめろ! 後でやめられたら会社はむだになる」と迫られました。9月が入社式で、今は「試用期間」と見習い扱いです。



地域が青年と共に

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 青年の働く権利のために活動している吉村駿一弁護士の話 この会社のやった「新入社員研修」は、労働基準法違反以前の問題で、憲法で保障されている基本的人権や人格権の侵害にあたります。

 研修に必要な経費や手当は、当然会社側が持たなければなりません。会社の狙いは新入社員の人格とプライドを傷つけ、絶対服従を植え付けて会社に都合のいい規律を守らせることです。

 一職場の問題ではなく大きな社会問題としてとらえる必要があります。若者に「たたかえ」というだけではすまない。政治や労働行政、自治体の課題です。先輩のおとなが地域で運動して、若者が安心してたたかえる環境をつくることなしには改善できません。

 こうした会社に外部の地域から改善を申し入れることも有効です。孤立しているように見える職場でも「これはおかしい」という仲間はいます。地域にもいます。一人でも加入できる労働組合もあります。

 若者はインターネットや携帯電話などで連帯する方法をもっています。現実に若者がたたかって成果をあげています。地域で青年を大切にし守っていく運動を職場と同時進行で起こしていくことです。


こんなときどうする?

 (1)午後6時終業なのに、周りは残業。帰っちゃいけないの?

 就業規則で終業時間が午後6時と決められているのなら、退社は自由です。

 (2)サービス残業は当たり前なの?

 サービス残業(ただ働き)は、6カ月以下の懲役もある犯罪です。どんな場合でも、働いたら賃金を請求しましょう。実労働時間が8時間を超えるなら、時間外割増賃金(25%増し以上)になります。

 (3)「早出」分の給料はどうなるの?

 始業時間前の作業服への着替えなど、準備時間も労働時間とみなされます。きちんと請求しましょう。

 (4)忙しくて休憩時間がとれないんだけど。

 会社は労働時間が6時間を超えれば45分以上、8時間を超えれば1時間以上の休憩を「与えなければならない」と労働基準法34条に明記されています。

 ◇

 ◎そうはいっても…

 「そうはいっても、会社にモノをいうなんてできないよ」という人は、労働組合に相談してみましょう。全国労働組合総連合(全労連)は月―金の午前10時から午後5時まで、フリーダイヤルで労働相談を受け付けています。

 電話0120(378)060


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 (1)「お悩みHunter」の回答者三人に相談したい悩みを、どしどしお寄せください。

 住所、氏名(匿名、ペンネームも可)、年齢、職業、電話番号を書いてください。ただし、回答は紙上でのみに限ります。

 (2)青年たちの交流の場「わかものCOM」も新設。次回から始まります。お便りをまっています。

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