日本共産党

2004年4月4日(日)「しんぶん赤旗」


年金 焦点は


 政府の年金改悪法案が衆院本会議で審議入りしました。マスコミの世論調査でも政府案へきびしい批判が多数を占めていますが、小泉内閣・与党は「今国会成立」に固執。日本共産党の年金政策の発表(3月31日)で、論戦の焦点がはっきり見えてきました。



表
給 付 切下げか最低保障か

 政府案にある重大問題は、低い年金しか受け取れない人にも大幅な給付カットを一律に押しつけることです。国民年金のみの受給者の平均は月四万六千円。四万円にも満たない人が46%もしめています。政府案は月額二万円、三万円という低額年金も実質15%削減するのです。

 無年金、低額年金者を大量にかかえる日本の年金制度の実態を受けて提案したのが日本共産党の「最低保障年金制度」です。

 これは、無年金者には当面、最低保障額の五万円を支給し、それ以外の国民年金受給者には、現行の給付額(満額で月六万六千円)の半分を五万円に上乗せします。五万―八万三千円給付でスタートし、段階的に引き上げていきます。厚生年金も一定額までは同様に底上げします。

 憲法二五条にある生存権の保障の精神を社会保障の柱となる年金に具体的に生かした提案で、政府案とは対照的です。

財 源 弱者負担か大企業か

 年金をめぐっては、財源の問題が各党間の重大な争点になっています。

 日本共産党は、「最低保障年金」の財源として、無駄な公共事業や軍事費の削減、道路特定財源の一般財源化など歳出の見直しを実施。さらに、この間大幅に下げられた法人税率や所得税最高税率を見直すことや、大企業優遇税制をあらためることで確保します。

グラフ

 日本は、大企業が負担する税・社会保険料の国民所得に占める率が欧州諸国に比べ低水準となっており(グラフ)、大企業に応分の負担を求めるのは当然です。世界の流れに立って、税制の民主的な改革で財源確保策を打ち出しているのが日本共産党の提案です。

 政府案は、基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げる財源として、年金生活者への課税強化、庶民増税となる所得税定率減税の廃止を計画しています。〇七年度には消費税増税を含む「抜本的税制改革」をおこなうことで自民、公明両党は合意しています。

 民主党は現行5%にくわえて、「年金目的消費税」として3―4%の消費税増税を提案。4%の場合、十兆円もの負担増です。

支え手 リストラに歯止めを

 政府案は、少子化の急激な進行を前提にしているため、加入者減をおぎなうための保険料引き上げ、給付削減を押しつけようとしています。深刻な厚生年金加入者減、年金財政の悪化を招いている大企業のリストラ、賃下げや、フリーター、派遣労働など低賃金の不安定雇用の増大にたいし、まったく手を打とうとしていません。

 日本共産党は、“ルールある経済社会”の視点から、大企業のリストラを規制し、長時間労働やサービス残業の根絶などで、雇用創出に本格的に取り組むこと、政府と大企業の責任で若者に安定した仕事を保障するよう提案しています。少子化克服のための有効施策も提案しています。


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