日本共産党

2004年3月30日(火)「しんぶん赤旗」

中国人強制連行・強制労働

企業・政府は控訴するな

原告団が報告集会


 「中国人強制連行・強制労働 北海道・新潟訴訟判決報告集会」が二十九日、東京都内で開かれ約百二十人余が参加しました。中国人強制連行事件訴訟全国弁護団などが主催。

 裁判は北海道と新潟でで行われ、新潟地裁では二十六日に原告が勝訴しました。新潟の判決は強制連行・強制労働の被害に対し、初めて国の責任を認め、国と企業に連帯して賠償責任を負わせました。他の戦後補償裁判にも大きな影響を与える画期的なものです。

 集会で発言した新潟訴訟原告の王成偉さん(77)は六十年前、日本軍に強制連行されました。「食べ物もなく、寒いなか一枚きりの薄い服で苦しい労働を強いられた。しかしいま、日本で支援を受け、裁判で訴えることができた。日本の企業と政府は控訴を取りやめるべきだ」と訴えました。

 強制連行されたうえに無実の罪で広島刑務所に服役中、被爆した新潟訴訟原告の張文彬さん(83)は、後遺症がひどく外出もままなりません。代わって判決を聞きにきた息子の一憲さん(49)は「父は電話での報告にとても喜んでくれた。新潟判決は中国の多くの人たちを喜ばせています。問題を総合的に解決してこそ中日の友好関係の基礎がきずける」と話しました。

 新潟訴訟の原告代表は同日、外務省に(1)控訴を行わないこと(2)謝罪・補償し政治的解決をはかること―を要請しました。


被告企業が控訴

 戦時中の強制連行をめぐり、中国人元労働者らが国と港湾物流会社「リンコーコーポレーション」(旧新潟港運、新潟市)を相手に損害賠償を求めた訴訟で、同社は二十九日までに、国と連帯で八千八百万円の支払いを命じた二十六日の新潟地裁判決を不服として東京高裁に控訴しました。

 同社の控訴にたいして新潟訴訟弁護団・中村洋二郎弁護士は「企業は判決の趣旨を反省せず、罪を重ねることは許されない。徹底して事実を突きつけ、控訴を取り下げる運動を広げていく。これを全面解決の場にしていきたい」としています。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp