日本共産党

2004年3月28日(日)「しんぶん赤旗」

メキシコ

民主革命党が大会

選挙方針、規約改正が議題


 【メキシコ市=松島良尚】メキシコの左翼政党、民主革命党の第八回全国大会が二十六日、メキシコ市内で開幕しました。同党は、首都メキシコ市を含め五州で市長、知事を擁し、昨年の総選挙でも大きく前進しました。大会は、当面する州知事選挙や二〇〇六年の大統領選挙の勝利をめざす政治・組織戦略の確立と規約改正を議題にしています。

 メキシコでは二〇〇〇年の大統領選で七十数年ぶりの政権交代が実現しましたが、フォックス現政権は米国追随の傾向をもっています。

 レオネル・ゴドイ党全国議長は開会式の演説で、現政権下でもかつての権威主義的な体制が続いていると指摘。民主革命党は民主主義と政治変革を推進する責務を担っているとのべ、国家主権擁護の立場にたった国営エネルギー産業の近代化、社会的権利の擁護などを掲げました。国際問題では、ラテンアメリカでの左翼勢力の前進や民族自決権の堅持などを強調しました。

 同議長は、三月初めに発覚した同党幹部による汚職事件について、党として自己分析を深めなければならないと強調。規約にてらして関係者の厳格な処分をしたとのべるとともに、規約で認められている党内グループのあり方が今回の事件にも関連していることから、グループの活動を政策的なものに限定することを提起しました。

 大会には約一千人の代議員が出席、二十八日に閉幕する予定です。日本共産党からは神田米造書記局員・国際局次長らが党代表として参加し、同大会への日本共産党のメッセージを手渡しました。開会冒頭で議長団は、「重要な政党である日本共産党の代表が出席している」と紹介しました。

日本共産党がメッセージ

 日本共産党中央委員会は二十六日、メキシコ民主革命党第八回全国大会に次のメッセージを送りました。

 日本共産党は、民主革命党第八回全国大会にあたって、心から連帯のあいさつをおくります。

 大会が、メキシコ国民の生活に犠牲を強いる政治を許さず、国民本位の政治を推進するうえで、また、昨年の総選挙での躍進に続いて二〇〇六年の大統領選での勝利をめざす準備をすすめるうえで、困難を克服しつつ、大きな成功をおさめることを期待しています。

 いまラテンアメリカでは、米国の押しつける新自由主義政策にたいする国民の反対が広がっています。さらに、ブッシュ米政権の圧力にもかかわらず、イラク戦争には大半の政府が同調しませんでした。こうして、米国の政治的、経済的支配に抵抗する国民世論が広範に形成されつつあります。私たちは、米国いいなりではなく、国民生活重視の政権が相次いで登場している新しい政治変革の流れに注目しています。その点で、あなたがたのたたかいの前進を、関心をもって見守っています。

 米国による侵略戦争とそれにつづく不当な軍事占領のなかで、イラクの事態は深刻化しています。私たちは、二十一世紀の世界のあり方をめぐって、先制攻撃戦略や軍事力による政権転覆、領土占領、政権の押し付けなど米国が横暴をほしいままにする戦争と抑圧の国際秩序を許さず、国連憲章にもとづく平和の国際秩序を確立するために、全力をあげています。世界が直面している経済の「グローバル化」の問題についても、米国を中心とした多国籍企業と国際金融資本の利潤追求を最優先させる経済秩序ではなく、各国の主権が保障された公正で民主的な国際経済秩序が求められています。

 私たちは、あなたがたの代表も参加した一月の第二十三回大会で、新しい綱領を採択しました。この綱領は、二十一世紀の激動的な世界のなかで、社会主義・共産主義の未来社会をめざす今日的な展望を明らかにするとともに、資本主義の日本がいま直面している変革の課題は対米従属と大企業・財界の横暴な支配を打破する民主主義革命であることを明確にしました。そして、日米軍事同盟の廃棄による非同盟・中立の日本の実現、大企業にたいする民主的規制、国民生活の防衛と向上など、政治・経済・外交の各分野にわたる民主的改革のプログラムを示しています。私たちは、日本社会のどんな変革も選挙をつうじての国民多数の支持がその前提となる、という立場をとっています。

 私たちは、互いの党大会への参加と意見交換など、最近の両党関係の前進を喜んでいます。平和の国際秩序の確立、公正で民主的な国際経済秩序の構築など、共通する課題にもとづく両党の共同と連帯が今後も発展することを願っています。二〇〇四年三月二十六日 日本共産党中央委員会


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