日本共産党

2004年3月18日(木)「しんぶん赤旗」

労働時間に関しての昨年10月の厚労省新通達とは?


 〈問い〉 昨年十月に厚生労働省が出した“労働時間延長の限度に関する基準の一部改正についての通達”の前進面と問題点を教えてください。(大阪・男性)

 〈答え〉 日本の労働者は「過労死・過労自殺」を生み出す異常な長時間労働を強いられています。残業(時間外労働)は、あらかじめ労働基準法36条により、厚労大臣「告示」と呼ばれる通達で定められた「範囲」(年間では三百六十時間)で、労使協定を結べばできることになります。ところが「業務上やむを得ない時」など「特別の事情」を付記した協定であれば、その「範囲」を超えて事実上制限なしの長時間労働が合法的に許され、年間一千時間の残業すら可能になるのです。

 今回の改定(03年10月22日、厚労省告示)は「労働時間の延長の限度に関する基準」の「特別の事情」について「臨時的なものに限る」を書き加え、より限定的にしました。

 具体的には(1)「特別の事情」は臨時的なものに限る(2)特別に延長できる回数を協定し、特定の労働者の適用は一年の半分を超えないものとする(3)「特別の事情」は詳細に書いて協定し、労基署に届け出る(4)届け出た協定に回数が未記載の場合は限度基準に不適合として助言・指導する、というものです。

 この改定は、「働き過ぎの防止の観点から」過労死の認定基準の改定や「過重労働による健康障害防止」通達(過労死防止通達)の実効性を確保せよという労働者の声に押された結果で、厳格に守らせることが必要です。しかし、「通達」には罰則もないため、事業主が守らない場合でも行政の側は助言や指導しかできません。特別条項付き協定を結んでいる事業場は、三百一人以上の大企業の事業場では53・8%(厚労省調査)もあります。最低限、大臣告示の限度時間を法律本文に明記し、違反の罰則を設けて実効性を担保するなど、政府が過労死を絶対生み出さないという姿勢を明らかにすべきです。(

 〔2004・3・18(木)〕


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