日本共産党

2004年3月18日(木)「しんぶん赤旗」

緊急事態基本法

今国会で法制化の結論

自公民協議会が第一回会合


 自民・民主・公明の三党からなる「緊急事態基本法協議会」の第一回会合が十七日、国会内で開かれました。昨年の有事三法での自民・公明と民主による「修正」合意につづく安保問題での接近の動きです。初会合では、座長に自民党の久間章生幹事長代理が就任し、同党の常田享詳参院議員、民主党の前原誠司、細野豪志両衆院議員、斎藤勁参院議員、公明党の遠藤乙彦衆院議員、高野博師参院議員が協議会のメンバーに名前を連ねました。久間、前原両氏を中心に運営します。

 当面、内閣危機管理監経験者の意見聴取などを行い、今国会中に法制の必要性について結論を得る方針を確認しました。

 久間氏は法制化への着手は明言しませんでしたが、「地下鉄サリン事件やスペインでの爆破事件などの場合、国家的危機とみなすのかどうか、何かないと意見が分かれることもある」とのべ、前向きな姿勢を示しました。また、「危機管理体制について、今のままでいいのか、という点では与野党間で一致した」ことも明らかにしました。


解説

有事関連法案の協議へ呼び水となる危険

 自民・民主・公明三党の「緊急事態基本法協議会」は、昨年六月に民主党が有事三法に賛成した際、与党と民主党の間で「緊急事態法制」について、「真摯(しんし)に検討し、早急に結論を得る」との覚書を交わしたことから設けられたものです。

 民主党が二〇〇一年に作成した文書「緊急事態における法制のあり方について」によると、「緊急事態」には(1)日本有事に至るまでの事態(2)日本有事(3)大規模な自然災害等発生時――が含まれます。これらをひとくくりにして対処するための基本法づくりが協議会のねらいです。

 民主党案の重大な点は、これら三つの要件を一体化し、全体を「緊急事態」ととらえて、地方自治や国民の基本的人権侵害の範囲を大幅に拡大するという点です。

 十七日に発足した「協議会」は、政府が提出している有事関連七法案、三協定・条約に関する議論は行わないとしています。しかし、政府・自民党は有事関連法案についても与野党合意で成立させたいとしており、協議会での議論が同法案の協議の呼び水となる危険もあります。

 昨年の通常国会でも、自民・民主両党の協議が有事法強行に道を開きました。

 有事関連法案の国会審議と並行して同協議会を開くことが自民・民主両党による「戦争国家」づくりにつながるとすれば重大です。

 竹下岳記者


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