日本共産党

2004年3月17日(水)「しんぶん赤旗」

不破議長が党綱領を講義

日本共産党中央党学校で


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日本共産党綱領の講義をする不破哲三議長=16日

 日本共産党の不破哲三議長は十六日、伊豆学習会館(静岡県熱海市)で開催中の中央党学校の講師として、新しい綱領について約八時間にわたって講義しました。

 受講者には、不破議長が編集・作成した分厚い資料が渡されました。歴史資料や年表、経済統計や報告、声明、マルクス、エンゲルス、レーニンの古典や不破議長の論文、日本共産党の決定文書など多彩な内容です。この資料を駆使した講義に、受講者は深くうなずいていました。

 講義は、章ごとに五回に分けて進められました。第一講で「第一章 戦前の日本社会と日本共産党」をとりあげた不破議長は、冒頭、戦前の日本社会を全面的にとらえるには、その国家体制(絶対主義的天皇制)の仕組みを「ヨコ軸」に、侵略と戦争の歴史を「タテ軸」において、タテとヨコをあわせてみることが大切だと指摘。最近の「日露戦争」論など、明治以降の侵略と戦争の歴史を美化肯定する議論の誤りを歴史の事実で浮き彫りにしながら、天皇制の暴圧のもとで平和と民主主義の日本のために不屈にたたかった日本共産党の活動の歴史的な意義を明確にしました。

 続く講義は「第二章 現在の日本社会の特質」。不破議長は、ここを理解するカナメの一つは、米軍による全面占領期の具体的なとらえ方にあると述べて、その時期の特質と占領軍の役割を詳しく説明し、“君主制でもない共和制でもない”独特の政治体制が生まれた歴史的な経過を解明するとともに、その歴史をねじまげる「押しつけ憲法」論を正面から打ち破る主な論点の展開にも力を入れました。

 現在の情勢論でとくに焦点があてられたのは、五一年安保条約、六〇年安保条約、「核密約」、そして日米共同作戦と自衛隊海外派兵の波状的なたくらみなどを系統的に明らかにし、「異常な国家的な対米従属の状態」を条約的な基礎から掘り下げることでした。

 第三講の主題は「第四章 民主主義と民主連合政府」。不破議長は、社会主義革命路線をとったヨーロッパの諸党の七〇―八〇年代の政治的失敗の経験も紹介しながら、日本共産党の民主主義革命路線の先見的な意義を詳しく説明。

 さらに、今回の綱領でより充実した表現を与えられた多数者革命論について、日本共産党の理論的な追究の歴史もふりかえって、深い解明をおこない、そのなかで、『国家と革命』に定式化されたレーニンの革命論(強力革命唯一論や民主共和制粉砕論など)が、マルクス、エンゲルスの革命論から多くの点で離れたものとなっていたことを論証して、この面でも、日本共産党の路線が、科学的社会主義の大道に立ったものであることを明らかにしました。

 第四講は、未来社会論(第五章 社会主義・共産主義の社会をめざして)です。ここでは、前半の講義では、綱領そのものの組み立てとその一節一節が持つ意味とその内容が、逐条的に説明され、後半の講義では、それらの規定の原理的な根拠となっているマルクスの未来社会論そのものが、原典にそくして、解明されました。

 そのなかで、とくに深い解明がおこなわれたのは、『資本論』のなかでマルクスが展開した未来社会における「自由の王国」論です。この問題では、労働時間短縮が人間的発達の壮大な展望を開くことが、黒板での図解の助けも借りて、具体的に描きだされました。

 全国から集まった九十人余の受講者は、午前九時から夕方六時前まで、集中して講義に聞き入りました。

 「第三章 世界情勢―二〇世紀から二一世紀へ」は、第五講として十七日におこなわれます。


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