日本共産党

2004年3月11日(木)「しんぶん赤旗」

うわっ、ひどい…

年金改悪“約230万円負担増”

自交総連日本交通労組品川支部

学べばたたかう展望が


 自民・公明政権が今国会で成立を狙う年金改悪案。実施されると、不況やリストラにあえぐサラリーマンに、大変な負担増がのしかかります。いまは13・58%(労使折半)の厚生年金保険料を今年十月から毎年0・354%ずつ引き上げ、二〇一七年度には18・30%にするからです。働く人への影響はどうなるか。タクシー乗務員でつくる自交総連日本交通労組品川支部(東京・品川区)を訪ねて話をききました。 内藤真己子記者

 「うわッ、ひどい…」。渡辺守さん(51)の顔が思わずゆがみました。乗務員になって三年目。年収は約四百八十万円。厚生年金保険料は年三十二万六千円です。

仕方ないのか?

 改悪されると保険料は八千五百円ずつ毎年増え続けます。定年を最大延長できる六十三歳まで働くつもり。このとき(二〇一六年)の保険料は年四十二万二千円。収入が同じでも、いまより約十万円増えます。

 同じく三年目の細田義彦さん(34)。年収は五百十万円で同保険料は年三十四万六千円。改悪されると年九千円ずつ増え、二〇一七年には年四十六万七千円に上がります。年収が同じで六十歳まで働くと、保険料の負担増分は総額で約二百三十万円になる計算です。

 「はあー」。ため息をもらす細田さん。夜勤明けの顔に疲れがにじみます。その一方、「たしかに困りますけど、高齢者が増えるから仕方ないんじゃ…」。率直な疑問をぶつけてきました。

国庫負担先送り

 「そこが問題なのよ」。同労組支部長の川崎一則さん(52)が身を乗り出し説明しました。

 法律で今年からの実施が明記されていた国庫負担引き上げが、改悪案で二〇〇九年まで先送りされました。軍事費やムダな公共事業など財源があるにもかかわらずです。

 リストラをやめさせ労働者の雇用と所得を安定させれば、厚生年金加入者も増えます。安定した支え手が増え、年金財源も確保されます。巨額の年金積立金の活用も欠かせません。

 副支部長の平岩千明さん(53)も加わって資料も使いながら話します。とりわけ渡辺さんと細田さんが驚いたのはこんな事実でした。

 導入以来十五年間の消費税が百三十六兆円。同じ期間に百三十一兆円の法人税減税がおこなわれ、消費税がこの穴埋めに使われている―。「消費税上げるのも、こんな年金改悪もやめさせないといけないよ」と二人。

 年金改悪案では給付水準もいまより実質15%もカットされます。川崎さんは「将来暗い気持ちの組合員も多いですが、改悪でどうなるか、どうしたらいいのか、学び話し合えばたたかいの展望が持てます」と。同地連南部ブロックでは十二、十三両日に、二百人規模で年金問題の学習会を予定しています。


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