日本共産党

2004年3月6日(土)「しんぶん赤旗」

予算案論戦ではっきり見えた


 5日に衆院を通過した2004年度予算案。野党では日本共産党だけが予算案組み替えを提案し、国民の立場で悪政とたたかう姿を鮮明にしました。その一方で、けん伝された自民、民主の「対決」の実像は? 1カ月半の国会論戦を振り返ると――。



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唯一組み替え動議

暮らしの守り手 共産党

 「政府案を撤回のうえ、編成替えを求める」。五日の衆院予算委員会で、予算案組み替え動議を提出したのは日本共産党だけでした。二〇〇一年から三年連続で野党共同の組み替え動議が出されてきましたが、今回、民主党は「討論で対案を主張したい」(野田佳彦国対委員長)として、予算組み替えを求めない態度をとりました。

 日本共産党の組み替え案は「国民の暮らしが元気にならなければ、日本経済が本当に回復に向かうことはできない」という立場で出されたもの。浪費の削減で六兆五千億円の財源を生み出し、社会保障や教育、雇用、中小企業、農業・食料など国民の暮らしを守るために重点配分することを提起し、庶民増税を中止することを盛り込んでいます。

 小泉内閣の「構造改革」路線に対しても、民主党などが「改革のスピードが遅い」と迫るなか、日本共産党は国民生活を守る立場から対決し、論戦を展開しました。

 「給付と負担のバランス」などと数字合わせの答弁に終始する政府。これに対し日本共産党は、年金改悪案が憲法二五条の生存権さえ脅かす実態を明らかにし、安心できる年金制度をつくることを主張しました。

 焦点となった鳥インフルエンザ問題では議員団で対策本部を設置し、政党のなかで、いち早く現地調査。搬出制限を余儀なくされた業者への損失補償の制度化を政府に検討させる答弁を引き出すなど、現実の国民生活を守る役割を果たしました。

自・民で議連次々

ほんとに対決?2大政党

 “自民と民主の対決国会”というマスメディアのふれこみとは裏腹に、憲法や安全保障といった基本政策での一体化だけが目立ちました。

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反対討論する吉井英勝議員=5日、衆院本会議

 民主党の玄葉光一郎議員は五日の衆院予算委総括質疑で小泉純一郎首相に言いました。「アメリカが先制攻撃をしたら“積極的に支持する”というのが基本的な総理の立場だと思うが、われわれだったら“理解する”とか、その程度になったんだろう」。イラク戦争への小泉首相と民主党との「差」はこの程度だというのです。そして「本格的な治安の回復を待って自衛隊を出すこともあったかもしれない」と付け加えました。

 玄葉氏は、自民、公明与党議員などでつくる“黄色いハンカチ運動”の「海外派遣自衛隊員を支援する国会議員の会」世話人の一人です。

 「自衛隊員を支援する会」のほかにも、自民、民主を横断する議員連盟が次々と発足しています。

 二月十八日に活動を再開した「新世紀の安全保障体制を確立する若手議員の会」には自民八十八人、公明二人のほか、三十一人の初当選議員を含む民主党七十九人が参加。「教育基本法改正促進委員会」もつくられました(二月二十五日)。日露戦争開戦百年に際して民主党議員が自民党と明治神宮を参拝するなど行動をともにしています。

 予算審議では冒頭から、改憲をめぐり自民、民主両党の応酬がありました。小泉純一郎首相が「時代にあったように憲法改正するのもいい」と改憲を主張すれば、民主党の岡田克也幹事長は「私も憲法改正には決して後ろ向きではない」(二月十日)と応じました。


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