日本共産党

2004年2月29日(日)「しんぶん赤旗」

自民悪政ときっぱり対決 改革の道示す日本共産党

国会議員団の奮闘


 通常国会開会から1カ月余。自民、民主の「二大政党化」がねらわれるなか、小泉内閣の悪政にたいして日本共産党国会議員団はイラク派兵、年金改悪など国民の切実で焦眉(しょうび)の課題をとりあげて奮闘しています。


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党首討論に立つ志位和夫委員長=18日、参院第1委員会室

国民負担増、年金改悪―
生存権の侵害許さない

く ら し

 政府の年金改悪法案は憲法二五条が保障する生存権を国みずから侵害する――日本共産党の志位和夫委員長の党首討論(十八日)には「年金問題の核心をずばり突いている」(自民党支持者の男性)など、全国から反響が寄せられました。

 年金受給者の給付水準を一律15%引き下げ、今でも生活保護の平均水準より低い国民年金の受給額をさらに引き下げる政府の改悪案は、憲法二五条で国に義務付けた「健康で文化的な最低限度の生活」を侵害する。この追及に、小泉純一郎首相は「生活保護と年金は違う」というだけで憲法とのかかわりには何も答えられませんでした。

 年金大改悪など四兆円もの新たな国民負担増の押しつけから国民生活と日本経済をまもる論戦は小泉内閣の「構造改革」路線と真正面から対決する点で際立っています。

 政府が「百年安心」という給付水準の“50%確保”についても十三日の衆院予算委で山口富男議員が、政府試算の前提である賃金、物価上昇率の根拠のあやふやさを追及。坂口力厚労相が「百年先どうなるかといわれても答えにくい」とのべ、“まやかし”ぶりが明らかになりました。

 年金制度を支えるための基礎年金への国庫負担を、現行の三分の一からただちに二分の一に引き上げる約束を先送りした自民、公明、民主各党。

 政府・与党が「給付と負担と税のバランスを考えてもらう」(小泉首相)と負担増と給付減を押しつければ、民主党は「基礎年金を全額税財源で充てる」(岡田克也幹事長)と消費税増税を主張。大企業や資産家に応分の負担を求めるのではなく、国民負担増に財源を求める点では同じ土俵に立っています。

 こうした負担増が何をもたらすのでしょうか。

 佐々木憲昭議員は、来年度予算案で新たに三兆円の負担増が上乗せされ、小泉内閣発足後の過去三年間に実施・決定されたものと合わせると年間で約七兆円にのぼるという試算を示しました。

 「負担増が個人消費をさらに冷え込ませ、景気を悪化させる」との追及に、小泉首相も「(景気回復は)今のところ大企業中心」と認めざるをえませんでした。

 石井郁子副委員長は、深刻な青年雇用の問題で、大企業の新卒採用抑制をやめさせることや、政府の責任で雇用創出をはかるべきだと主張。同時に過労死まで生んでいるフリーターの労働条件をまもるよう求めました。

 坂口厚労相は「健康管理や労働時間についてチェックしていきたい」と答えました。

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イラク派兵反対
平和のルール確立めざす

安保・外交

 「日本人が連合軍に参加」――二十五日の参院イラク有事特別委。日本共産党の小泉親司議員はイラクを占領している連合軍の機関紙を示して、政府を追及しました。

 議員団が明らかにした自衛隊が占領軍の一員となる証拠は衆参通じて十点近くにも。政府は「連合軍指揮下に入らない」と強弁しかできず、ボロボロになっています。

 イラク戦争の大義、憲法との関係など、根本問題をついた日本共産党の国会論戦は、「『唯一野党』共産が攻勢」「共産リード役に」など一般紙で大きく報じられました。

 赤嶺政賢衆院議員が告発した自衛隊先遣隊報告書の“原案”が事前につくられていたことを示す政府内部文書。民主党議員もこの文書を使って質問するなど国会を揺るがす威力を発揮しました。

 承認強行後も衆院イラク特別委員会は週一回開かれ、参院のイラク有事特も随時開会。政府から現地状況の説明を受け質疑を続けています。政府を追い詰めた日本共産党など野党の成果です。

 日本人拉致問題をはじめとする日朝間の懸案をどう解決するか。

 北朝鮮への経済制裁を可能にする「改正」外国為替法に賛成した自民、民主、公明の各党は「さらなる圧力を講ずべき」(自民・岩永峯一衆院議員)「つくったものは即座に発動すべき」(民主党・松原仁衆院議員)と主張しています。

 日本共産党は、六カ国協議で同意した「状況を悪化させる行動をとらない」との国際約束に反するとして同法「改正」に反対。日朝関係について(1)平和的・外交手段で解決(2)拉致問題を北朝鮮の国際的無法行為の清算の一つに位置付け、国際社会全体で取り組む(3)日本と北朝鮮の国交を確立する―ことを主張。北東アジアの平和と安定という観点から外交的、平和的解決を追求しています。

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パネルをしめして質問する佐々木憲昭議員=12日、衆院予算委

日歯連、道路公団、道警…
政官業の癒着を追及

政治とカネ

 ムネオ疑惑追及に見られた政官業の癒着にメスを入れる力は、今国会でも遺憾なく発揮されています。

●日歯連問題

 さまざまな思想信条の歯科医師が参加する歯科医師会が、自民党の下請け団体となっている―。

 佐々木憲昭議員は、十二日の衆院予算委で日本歯科医師会(日歯)の政治団体である日本歯科医師連盟(日歯連)と自民党支部間の不明朗な献金や、日歯連本部と同県連盟の間でも一億四千万円にのぼる虚偽報告の疑いがあることを告発。二十四県で日歯、日歯連、自民党支部の三団体の代表者と住所が同じで献金する側と受ける側が一体化している異常な実態を追及しました。

 佐々木氏の質問は「日経」「東京」などが「献金額記載、15支部で食い違い 予算委で共産指摘」と報じました。民主党議員も「佐々木委員の質疑でも取り上げられた問題だが」と前置きして質問。今国会での「政治とカネ」問題追及のせんべんをつけました。

●道路公団問題

 道路公団が発注した高速道路工事の99%を、公団が天下りした企業が受注し、自民党に五年間で二十八億円の献金が流れている――小泉内閣が「改革」の目玉とする道路公団「改革」をただしたのは穀田恵二国対委員長です。

 工事を発注する側の公団から受注する側の企業に天下り、受注企業から自民党に献金が流れる――政官財の癒着の構図が明らかになりました。

 「政官業の癒着」という他党に見られない角度からの追及は「361工事、予定価格の98%」(「東京」)などと大きく報じられました。

●北海道警問題

 北海道警で情報提供者への謝礼名目の報償費をプールし、交際費などに流用していた問題を今国会で初めて取り上げたのが吉井英勝衆院議員でした。

 故人名を使って領収書を偽造した架空支払いを記す内部資料は、北海道が受け取りを拒否していましたが小野清子国家公安委員長は受け取り、疑惑の解明を約束せざるをえませんでした。

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6.5兆円を社会保障に

日本共産党 予算組替え案

 「これが実現したら、どんなに暮らしやすい日本になることでしょう」――日本共産党議員団が二〇〇四年度予算の抜本的組み替え案を発表した翌日(二十四日)、赤旗編集局にこんな電話が入りました。

 自民党の悪政を根本からただしながら現実的な改革提案をおこなう議員団の力が発揮されたのがこの組み替え提案です。

 「国民の暮らしが元気にならなければ、日本経済が本当に回復に向かうことはできない」

 組み替え案はこの立場から、浪費の削減などで六兆五千億円の財源を生み出し、これを社会保障などに重点配分することを提起。庶民増税を中止することを盛り込んでいます。

 政府案に盛り込まれた侵略戦争と不法な占領支配に加担するイラク派兵の関連経費の削減も掲げています。

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申し入れを行う日本共産党国会議員団(左から、高橋衆院、井上参院、中林前衆院、宮本参院、畑野参院、右手前の紙参院、各議員)=1月23日、農水省

現場で苦しむ国民の声
国会でとりあげ解決迫る

BSE、鳥インフルエンザ

 国民が苦しんでいる現場に足を運んで、その声を国会でとりあげ、政府に解決を迫る――これも他党の追随を許さない党議員団ならではの値打ちです。

 食の安全と営業を脅かすBSE(牛海綿状脳症)や鳥インフルエンザ問題では、現地調査した高橋ちづ子衆院議員の質問に亀井善之農水相が「問題が生じる都度、必要に応じてその対策を講じていきたい」と被害農家への対策を明言しました。

 鳥インフルエンザの問題では、山口県で卵を出荷制限された周辺農家に初めて農水省から損失額の半額助成が決まるなど、議員団の申し入れがさっそく実りました。

課税権放棄の不当性
追及にマスコミも注目

新生銀問題

 「新生銀株――売却益は課税対象外」(「毎日」十七日付)「塩川議員は『国民の血税を伴う再上場で巨額の譲渡益に課税できないのは納得できない』と批判した」(「日経」十八日付)

 八兆円にのぼる国民の税金を投入したあげく、外資にタダ同然で譲渡された新生銀行。米投資組合リップルウッド側が手にする一兆円もの上場益にたいする課税権を日本が租税条約で放棄していることを知りながら譲渡した不当性を告発した塩川鉄也議員の質問が各紙でとりあげられました。

 条約上の不当性は塩川質問で初めて明るみになったもの。アメリカいいなりの日本政府の姿が浮き彫りになりました。

 谷垣禎一財務相も「国民の健全なご意見がある」と国民の批判を無視できず、不明朗な譲渡にかかわった金融再生委員会の幹部が参考人招致されることになりました。


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