日本共産党

2004年2月29日(日)「しんぶん赤旗」

6カ国協議の枠組み前進

食い違い克服へ各国努力

対立点残しながらも一致点確認、協議継続へ


 【北京=田端誠史】北京で開催されていた北朝鮮の核問題をめぐる第二回六カ国協議は、予定された会期を一日延長し、議長声明を発表して終了しました。決裂するのではないかと各国記者団はやきもきしましたが、急きょ首席代表による詰めの協議を行い、予定を三時間ほど遅らせて閉幕式が行われました。

“議長声明は共通の認識”

 昨年八月の第一回協議と比べて重要な前進があります。当初いわれた「共同発表」と違った「議長声明」となったことについて、議長を務めた王毅・中国外務次官はその性格について記者会見で「議長声明の形で六カ国の共通認識をまとめ、他の各国が認めたものである」と説明。「共同声明や共同発表の形式で採択せず、議長声明になったのは形式の問題にすぎず、内容は一致している」と前回より前進している意義を強調しました。

 中国代表団の劉建超報道官の記者会見の雰囲気は一日、一日変わり、どうしても成功させたいという意気込みが伝わると同時に緊張がみなぎっていました。参加する各国記者も多く、プレスセンターも四六時中おおにぎわい。テレビもトップニュースで協議を伝えました。二十六日の北朝鮮の記者会見の通告があったのは十分前。劉氏は「早く着くためにジョギングを」と笑わせました。

 協議で各国は、それぞれ異なる意見の溝をせばめるために努力し、時には激論もたたかわせながらも「冷静で実務的な態度」(劉建超・中国代表団報道官など)で次回協議日程や作業部会の設置に合意しました。

 作業部会の設置が決定されたことは、協議の枠組みが具体的に進展したことを示すものです。次回協議の開催も六月末までと明示されました。次回開催の見通しが決まらなかった第一回協議とは大違いです。

 六カ国協議が定期的に開催され、北朝鮮の核問題解決への展望が見えてくれば、北東アジアの平和、安全などをとりあげる新しい枠組みになる可能性があります。

米と北朝鮮の対立の深さも

 その一方、今回の協議では、米国と北朝鮮の間の対立の深さが明らかになりました。李外相は「相互間の立場の違いの増大」ともいいました。北朝鮮が平和利用のための核開発を「核活動の停止(凍結)」の中に含めなかったのに対し、米国は平和利用を含むすべての核開発の放棄・凍結を迫りました。濃縮ウラン疑惑については北朝鮮が計画を否定。日本も米国の主張を支持しました。

 北朝鮮の核開発の廃棄・凍結の見返りとしての北朝鮮へのエネルギー支援については、韓国、ロシア、中国が理解と支持を表明しましたが、米国は支持せず、立場の違いが浮き彫りになりました。

 しかし今回は、意見対立を残しながら、協議で到達した一致点が強調されたのが印象的です。前回の協議では、北朝鮮と米国の意見対立が激化し、北朝鮮代表団が席上「核実験計画の意図」や「核抑止力」に言及したとされました。

 今回、李肇星外相は、「各国間には重大な意見の対立が依然として存在している」といいながら、「(各国は)共通認識を広げている」と評価しました。

 日本も共同文書作成について「その方向で努力」(二十八日、首席代表の藪中外務省アジア大洋州局長)するなど真剣でした。藪中局長は拉致問題について、冒頭あいさつで「二国間の懸案」という形で表現。議長声明では「協調による一致という手順によって核問題およびその他の懸案事項を解決していく」との文言がもりこまれました。諸問題を包括的に解決するという日朝平壌宣言に沿ったものとして、関係者の間で好感が持たれているようです。


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