日本共産党

2004年2月16日(月)「しんぶん赤旗」

合併押しつけ継続

総務省が新法作成へ

地方団体反発


 総務省は、来年三月末期限切れになる市町村合併特例法に代わる新法を通常国会に提出するため、詰めの作業を急いでいます。政府主導の合併を継続・強化する構えで、地方団体からは「新法で合併を押しつけるな」との声があがっています。

 浮上している新法案は、地方制度調査会の最終答申(昨年十一月)にもとづき、合併促進で都道府県知事の権限、役割を強化するのが特徴です。知事が合併構想を策定し、この構想にもとづき、市町村間の協議のあっせん、合併協議会設置の勧告などをおこなえるようにします。

 焦点だった合併対象の小規模自治体の人口基準(一万人未満)設定については、町村などが強く反発。麻生太郎総務相は六日、「(法案には)書いてありません」と表明しました。しかし総務相が定める指針には入れる方向です。

 押しつけ合併の方向には、地方団体が強く反発しています。

 全国町村議会議長会は六日の総会で決議を採択しました。この間の政府主導の合併に対して「全国の各町村は大きな困難に陥れられたばかりでなく、地域の活力は大いに疲弊しつつある」と指摘。新法では都道府県に合併構想策定を義務づけないこと、などを求めました。全国町村会も「人口要件を明示したり、知事の勧告を強めたりすることは合併強制につながる」(山本文男会長の年頭所感)と表明しました。

 知事からも、「市町村長や地域住民から頼まれもしないのに、勧告やあっせんはしない」(福田昭夫・栃木県知事)などの声が相次いでいます。


長野・栄村

自律の村づくりへ語る会

地場産業発展など意見交換

 現行法での市町村合併はせず「自律」(自立)を決め、村民と行政が力を合わせた「村づくり」を進める長野県栄村の自律をめざす会(保坂良知会長)は十四日夜、同村の将来を語る会を開きました。「村づくり」の基本となる村総合振興計画に村民の意見を反映させようというもの。五十人余の村民や議員、高橋彦芳村長も出席しました。

 同会は村民の多数が自律を求める中、住民レベルで「村づくり」を提起しようと発足。日本共産党も参加しています。

 語る会では「村づくり」の課題として、農業や地場産業を中心にした地域産業興しと発展・充実、従来の誘致型ではない働く場づくり、子育てと若者定着を見据えただれもが住み続けられる村づくりを太く意識することなどが上げられました。地物農産物の生産体制の充実、体に良いといわれる油が搾れるエゴマなど伝統作物・工芸の掘り起こし・研究など、住民は意見を出し合い、村の将来を村長とともに考え合いました。

 高橋村長は合併で失うものはあっても「自律で失うものはない。困難だが、村民自治の力で乗り切れるし、乗り切ろう。国などの政策押し付けではなく、方向を決めるのは住民」と語りました。

 参加者からも「私たちも自律しなくてはいけない。困難や一定の負担はあっても、村といっしょに知恵と力を出したい」などの声。不安はあっても「自分たちの村を自分たちでつくっていこう」という村民の機運が高まっています。

 同村は、村独自の「道直し」・「田直し」「ゲタばきヘルパー」事業など、住民本位でコストもかからない独自事業を展開。村民は自律が大勢となっていました。一月三十日の村議会の合併問題特別委員会では合併賛成意見に、党村議団が村民の声を代表して反論。九対五で「自律の村づくりをすすめる」という村長提案の意見を採択し、本会議で意見を議会の総意と確認しています。


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