日本共産党

2004年2月15日(日)「しんぶん赤旗」

春闘 労働組合運動の新たな転機(下)


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イラクに自衛隊を送るな、年金大改悪やめろと訴える労働者たち=1月29日、東京

2、雇用を守る

 第二に、「リストラ・雇用破壊を許さず、働くルールの確立を」求めるたたかいでは、全労連は、〇四国民春闘を「大企業の社会的責任をただす春闘」と位置づけ、命と健康を奪うリストラ・雇用破壊に反対し、広範な国民世論を喚起してたたかうとしています。

 これは、失業と生活苦、重大災害の多発など、リストラがますます全社会的関心事になっているだけに、重要な提起です。

 労働者の賃金引き上げや雇用を守る課題は、なによりも労働者の切実な要求であるとともに、消費を拡大し国の経済の再建につながるものとして、今日、大きな大義をもったたたかいです。

 また、改悪労働者派遣法、裁量労働制などを職場に持ち込ませず、事前協議・合意ルールの協定を追求するとともに、さらなる労働法制改悪に反対しています。

 広範な労働組合・団体と共同して働くルールの確立を求める、サービス残業・長時間労働をなくし雇用を創出する、仕事環境の改善、健康を守るなどの運動を強めるとしていることも、過労死や過労自殺、職場での「心の病」の増大が社会問題化しているだけに重要なたたかいです。

 当面するリストラ反対闘争の重点として、国立病院職員の雇用と労働条件の継承、国鉄闘争の勝利、NTT十一万人「合理化」反対を位置づけています。

 福祉・医療、防災、教育などの分野で「全労連百六十七万人雇用創出要求」の実行をせまるとともに、緊急地域雇用創出基金の延長・改善要求をかかげていることは、大企業だけでなく、リストラ・雇用問題での政府の責任を明らかにし追及する点でも大きな意義をもっています。

3、国民共同による社会的包囲

 第三に、全労連は、中小企業の先行き不安の解消、地域経済の活性化、食と農業を守る共同の運動、福祉、医療、教育など生活とサービスを守る運動、教育基本法改悪反対、民主的公務員制度確立、消費税の税率引き上げ反対など、小泉「構造改革」から生活を守る国民各層の共通の課題をかかげています。

 これらの諸課題を掲げることは、職場から地域から国民総決起で財界・大企業、小泉内閣を社会的に包囲し、社会的力関係を変えていく国民春闘の本領を発揮するものとして重要です。

 とりわけ、年金改悪阻止を「〇四春闘の最大の国民的課題」「第二の賃金闘争」と位置づけ、すべての組合がストライキを行うことを呼びかけていることは、画期的意義をもつものです。

 今回の年金大改悪は、厚生年金の「モデル世帯」(四十年加入労働者・専業主婦)で給付水準を現役時の平均所得の59・4%(現行)から50・2%(二〇二二年度以降)にまで引き下げる一方、保険料は、年収の13・58%(現行、労使折半)から18・30%(一七年度以降)にまで引き上げるというものです。

 全労連は、「二・二五地域総行動」「四・一五年金ストライキ」を節目に、国民各層との共同を追求するとともに、具体的な年金改善の要求と制度・財源の提案も行い、国民的イニシアチブも発揮しています。

 国民的課題でのたたかい、とりわけ「年金ストライキ」が、政府・財界の横暴を民主的に規制するための社会的全国的な反撃の第一歩として歴史的な闘争に発展するよう、国民の熱い期待が寄せられています。

4、経済闘争と政治闘争の結合

 第四に、経済闘争と政治闘争の結合です。

 全労連は、当面の政治課題として、憲法改悪阻止、自衛隊のイラク派兵反対を〇四国民春闘の最大課題に位置づけています。「派兵より雇用」「軍事より年金を」「教え子をふたたび戦場に送るな」などのスローガンをかかげ、全組合員の行動決起と国民的共同を呼びかけています。

 異常な「国家的対米従属」という状態におかれているわが国の場合、日米軍事同盟を軸にして絶えず政治的課題が生まれてきます。

 そこから、労働者の要求とたたかうエネルギーは、経済的な面だけでなく、政治的な面でも蓄積されてきます。

 したがって、階級的な労働組合は、労働者の利益を守るために、経済的課題とともに政治的課題についても、自民党政治と正面から対決しています。

 周知のように、日本の労働組合の労資協調主義への右転落は、安保条約や自衛隊という国政のもっとも中心的問題について、それを容認することから始まりました。

 したがって、これらの労働組合が、自衛隊のイラク派兵、憲法改悪など、政府の反動諸政策に正面から対決していないことは、いうまでもありません。

 当面している自衛隊のイラク派兵反対、憲法改悪反対の政治闘争で、かつて安保闘争などで職場の「実行委員会」が確立されていたように、「イラクへの派兵反対、憲法改悪反対」の職場実行委員会の確立など、草の根から運動を強化するうえでも、広範な国民的戦線を結集するうえでも、階級的ナショナルセンターとしての全労連の役割に大きな期待が寄せられています。

 (おわり)

 (日本共産党国民運動委員会理論政策チーム)


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