日本共産党

2004年2月7日(土)「しんぶん赤旗」

育児・介護休業法改正案

誰もが安心して取れるように


 育児休業や介護休業は、働きながら子どもを産み育て、家族の介護をするために欠かせない制度です。政府は今国会に「育児・介護休業法」改正案を提出する予定です。だれもが安心して休業できるように実効性ある改正を望む声が高まっています。


写真
働きながらの子育て、育児休業の充実は切実です

図
表

女性64% 男性0.33%

育休取得率

 厚生労働省の2002年度女性雇用管理基本調査によれば、2001年度に出産した女性労働者の育休取得率は64.0%で、前回調査(1999年度、56.4%)より7.6ポイント上昇しています。配偶者が出産した男性労働者の育休取得率は0.33%(前回調査0.42%)で低い状況が続いています。

 事業規模が大きいほど女性の取得率は高く、従業員が500人以上の事業所では77.2%ですが、5人から29人では55.6%にとどまっています。(表)

 現行法では、育児休業は子どもが一歳になるまで、介護休業は家族一人につき一回三カ月までを、申し出により取得できます。休業期間が短いうえに、パートや派遣などの有期雇用は対象外で、改善を求める声が高まっていました。

パート、派遣にも

 改正案の主な内容は次の通りです。

 (1)労働基準法の改定で、有期雇用の上限が原則一年(専門職は三年)から三年(同五年)に延ばされたことから、一定の条件を満たす有期雇用も対象に加える(2)保育所に入れないなどやむを得ない場合、子どもが一歳六カ月になるまで育休期間を延長できる(3)介護休業は一人の要介護状態ごとに一回、通算して九十三日までに拡大(4)小学校就学前までの子どもを持つ労働者一人につき年五日まで看護休暇を取れる。

きびしい条件

 ただ、有期雇用を対象にするといっても、申し出時点で一年以上雇用されており、育児休業は子どもが満二歳になるまで雇用が見込まれる人(介護休業は、取得終了後の一年後まで雇用が見込まれる人)に限られるなど複雑できびしい適用条件がもうけられています(図参照)。一歩前進ですが、「これでは使えない」「三カ月、六カ月など短期の契約を繰り返す働き方に拍車をかけることになりかねない」という声も上がっています。

 毎年、秋には保育所待機児が六万人にもなるなかで、育休期間の六カ月延長は短すぎるという批判もあります。


改善へ国会で繰り返し提案

日本共産党

 日本共産党は、育児・介護休業法の充実を国会で繰り返しとりあげ、有期雇用の適用を検討する答弁を引き出しました。

 六カ月以上勤めるすべての労働者を対象にすることや中小業者への助成額の引き上げも提案しています。保育所に入れないなどの場合育休を二年まで延長できる、分割して取得できようにする、所得保障を六割(現行四割)にする、不利益扱い禁止の強化、原職復帰の保障、十日以上の家族休暇の創設−などを政策に掲げています。

人間らしく働き、子育ても

全労連の提案

 育休・介護休業法の改善を求め請願運動に取り組む全国労働組合総連合は、「法案は、一定の前進はあるが、不十分だ」とする坂内三夫事務局長談話を発表しました。育休は子どもが三歳になるまで延長、少なくとも当面二歳まで延長する、介護休業は要介護状態一回につき三カ月、のべ一年まで延長する、休業期間の代替要員の配置、不利益扱いの禁止規定を実効あるものにする、男性の取得の推進などを求めています。

 また有期雇用契約は、一時的・臨時的なものに限定すべきだと主張しています。

 全労連女性局長の中嶋晴代さんは、「リストラや人員削減で人手が足りず取りたくても取れない、昇進、昇給をあきらめなければ、取れない現実がある。男性も女性も人間らしく生き、働き、安心して子育てができるようにするために、使いやすい育児・介護休業法が必要です」と話しています。




「育休」どんな改正を望みますか?

支給額増やして/男性も休業しやすく

 子育て中の人や育休をとった人たちに、どんな改正を望んでいるのか、聞きました。

 千葉県松戸市に住む矢吹由美枝さん(29)は、4歳と1歳の子どもを育てています。上の子が生まれる前からパートで、運送と古書関係の二つの仕事をしてきました。2人目が生まれ、一つのパートは辞めましたが、育休はとっていません。「育休がとれるように制度が変わるというけど、雇用保険に入っていないから保障がありません。無給じゃ困る」。パート先は零細業者です。「中小業者には公的な支援がもっとあってもいいのでは」といいます。

 千葉県市川市に住む飯田すみ江さん(27)は、育休をとり5歳と4カ月の2人の子どもを育てています。職場では、子どもができると辞める人も多く、育休を取っているのは飯田さん1人だけです。「育児休業給付金は、保育所の費用に消えます。支給額を増やしてほしい」と話します。

 8カ月の子を育てる女性(31)=外資系企業勤務=は、育休中の代替要員がいないといわれ1カ月の育休を取るのがやっとだったと話します。長く休んで会社に戻った時、ほかの人に仕事が渡ってしまうような「リスクは負いたくない」といいます。

 3歳とゼロ歳の子育てをしながら東京の大手企業に勤める女性(34)は、下の子が1歳2カ月になるまで育休をとる予定です。育休をいい出したら、「代替がない」といわれ、職場で冷たい視線を浴びたといいます。「子どものことを考えると、3歳ぐらいまでほしい。明日の社会を担う子どもを育てるための育休なのに、冷たく扱われたり昇給に響くなんて」と憤慨します。

 男性の育休取得率は、わずか0・33%です。多くが「昇進に響く」「まわりの目が気になり」取得をためらうといいます。

 妻から、「いままで2人の子どもは私が取った。今度(3人目)は、あなたの番よ」といわれて、2月中旬から1カ月半の育休をとる男性(35)=医療労働者=は、仕事を休み毎日保育所の送り迎えをすることに抵抗感があると話します。「つい、世間体を考えてしまうけれど、子育ては夫の責任でもあると思って、育休を取ることにしました」

 育休を取った男性(39)=公務員=は、「子どもの成長や変化が分かり、夫婦で子育てをしている実感がした」と言うものの、「男性が取るためには、ある程度の強制がいる」といいます。「たとえば、1カ月間でも給料を全額保障するなど、特別な措置を取るべきだと思います」



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